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キャンプ×ランニング!! 1泊2日のテント泊レース「石井マウンテンマラソン」の魅力

  • 文・こだまゆき/写真・野呂美帆
  • 2018年7月6日

東伊豆町の山野に散らばるチェックポイントを探して、歩く、走る、歩く!

人生100年時代とも言われる昨今、健康への関心は低くありません。“楽して健康”よりも“楽しく健康”に。そう考える皆さんに、“運動のある過ごし方”をご提案。

今回は、地図とコンパスを頼りにコントロール(チェックポイント)をめぐり、獲得した点数の多さを競う「ロゲイニング」をご紹介。体力、地図読み能力、そしてチーム力が試されるアウトドアスポーツです。

    ◇

5月下旬、『石井マウンテンマラソン』と題した大会が開催されました。

【大会概要】

第2回石井マウンテンマラソン

競技エリア:静岡県東伊豆町

競技時間:1日4時間(2日間)

種目:エントリースコア、レギュラースコア、ストレートコンバインドの3種目

地図:25000分の1地形図、等高線間隔10m, 磁北線記載済み

コントロール:26ヶ所(得点は10~70点) 満点1000点:1分遅刻につき10点減点

必須装備:水、コンパス、寝袋、ライト、食料、料理できるクッカー、燃料、テント(チームで1つのみ)など

(※エントリースコアの場合)

■まるで宝探しのワクワク感!だけど予想以上に広範囲でハードな競技

地図は競技開始直前に配布される。どのルートでまわるかの作戦タイムはどのチームも真剣だ

ロゲイニングはチーム参加が基本で、この「石井マウンテンマラソン」は2人で1チーム。競技は2日間にわたって行われ、初めての人が参加する「エントリースコア」は1日4時間×2日の計8時間が競技時間。野山のあちこちに設置されたチェックポイントを時間内に、そして、できるだけ多くまわり、その合計得点で順位を争います。

必須アイテムは地図とコンパス。普段見慣れている地図と違って地名などが書かれていない地形図が競技スタート直前に配布されます。その地図を受け取るやいなや、どのルートでまわって効率よく得点するかを検討する姿があちこちで。実はこのチームごとの作戦タイムが勝負を分けるといっていいくらい重要なのです。ゴール地点と制限時間が決められているので、あとは自分たちの走力とナビゲーション能力によって決まるといっていいでしょう。

チームメンバーは常に一緒に行動するのがルール。今回43チームが出場した「エントリースコア」は、3~4割ほどが女性同士の参加だった

地図とコンパスが必須のナビゲーションスポーツ。競技中はスマートフォンのGPS機能をナビゲーション目的で使うのは禁止。なにより現在地をしっかり把握することが重要になる

配布された地図には、コントロールと呼ばれるチェックポイントの位置が○で印されていて、実際にその場所にはオレンジ色のフラッグが設置されています。フラッグに付いているSIステーションと呼ばれる装置に、チームのうちの一人が手首に巻いているSIチップを差し込むと「ピピピッ」と鳴り、データが記録されるという仕組み。このデータは1日目と2日目のフィニッシュ後に計測され、点数表が渡されます。

さまざまな場所に設置されているチェックポイント。点数はあらかじめ決められているので効率よく高得点のポイントを回りたいところだが、、、

コントロールがどのような場所にあるかは、地図に簡潔に書かれています。例えば、No.84ならば「鉄塔」という感じ。他には「道の分岐」や「小滝の下」、「ピーク」「谷」など、かなりざっくり。地図上の○印はピンポイントで示しているわけではないので、現場にいってもなかなか見つからない!なんていうことも。ただし等高線から地形を読み解く能力があれば、尾根と谷、ピークなどはわかり、自身である程度のナビゲーションが可能なのです。

こうやってすれ違うこともしばしば。競技中だからおしゃべりこそしませんが、笑顔ですれ違うとやっぱりうれしいもの

「石井マウンテンマラソン」では、大会前に読図力を養うための机上講習やフィールドでの実践講座、事前講習会を各地で開催していました。その事前講習会に参加したというカップルに、1日目の競技後にお話を聞いてみると、

「いつも登山やトレランをやっていますが、ロゲイニングは初めてです。途中で“今、どこやね~ん!?”ってなりましたけど(笑)宝探しみたいで楽しかったです。また出てみたいですね」

テント泊はふだんの登山でしているので慣れているというお二人。バーナーでお湯を沸かしながら笑顔で答えてくださいました。

色とりどりのテントが張られたキャンプポイント。翌朝のスタートまではフリータイムとなる

■大自然の中でのキャンプは最高の癒やしのひととき

まずはコーヒーでホッと一息。無事に1日目を終えて、皆さん表情も穏やか

2日間にわたって行われる「石井マウンテンマラソン」は、ひたすら歩いて(走って)というハードな面だけではなく、夜はテントで野営という非日常体験も味わえるのが魅力。1日目の競技が終わると、フィニッシュ地点近くに指定されたキャンプポイントにはカラフルなテントが次々と張られていきます。テントは1チーム1つのみと決められていて食事は自炊しなくてはいけません。17時頃からは夕食タイムがスタートし、楽しそうなおしゃべりや笑い声があちこちから聞こえてきました。

キャンプごはんの定番はやっぱりカレー。イマドキのフリーズドライ食品は美味しくて感動的!

この大会はテントや寝袋などの宿泊装備、2日分の食料などすべて携帯しながら歩かなくてはいけないという基本ルールがあります。よって荷物の軽量化は必須で、フリーズドライ食品を中心とした山ごはんを食べる人が多かったようです。キャンプ地には用意された水場があり、翌日の水はそこで確保できましたが、キャンプポイントにゴミ箱は用意されていないので各自持ち帰ることになります。なるべくゴミが出ない装備を考えるなど、登山に必要なスキルも磨かれるのです。

夜明け前の朝3時。寝静まる頃には曇っていて見えなかった星が、天の川までくっきりと

楽しそうなおしゃべりも日が落ちると次第に静かになり、21時頃には就寝タイム。翌朝はホーホケキョ♪とくりかえすウグイスの鳴き声で目を覚ました人も多かったはず。チームごとに朝食の準備をして食事を終えたら、テントの片付けが一斉にはじまりました。

太陽が沈んだら寝て、日が昇ったら目覚めるというただそれだけの事がとても新鮮。しかし皆さん早起きでびっくり

■ゴールするまで順位が想像つかない!山を遊び尽くすロゲイニングの魅力

地図は前日とはまた別のもので、例によって競技開始寸前に配布される

朝8時。すっきり晴れた青空の下で2日目の競技がスタート。手渡された地図は同じですが、コントロールの位置やポイント数が前日とは違うものになります。フィニッシュタイムは昼12時。石井マウンテンマラソンは、1分遅れるごとに10ポイント減点というかなり厳しいルールがあるので、せっかく苦労して取りに行ったポイントも、制限時間に遅れたばっかりにパーになってしまうことも。とはいえ時間を余らせてしまうのはもったいない! その時間配分がなかなかむずかしいのです。

スタート!の合図で四方八方に散らばっていく。この日は青空が広がって最高のお天気

ロゲイニングという競技は、とにかく地図を読み取る力が必要不可欠。平面で見ているのと実際の地形ではかなりのギャップがあって「えっ、こんな急勾配を行くの!?」と言葉を失うことにもなりかねません。ただし、初めての人でも2日目になると、ざっくりした地形的な特徴は読めるようになり、どうアプローチしたらいいかある程度は判断できるようになってくるもの。「山力のスキルアップ」を大きなテーマにした石井マウンテンマラソンは、こうやって仲間と共に山というフィールドでスキルアップを目指せる場でもあるのです。

森の中の尾根で遭遇したカップル。次に目指すチェックポイントを真剣に確認中

今回参加していた女性同士のチーム何組かにお話を聞いたところ、普段から登山をやっていて地図は見慣れているという人がほとんどでした。しかしロゲイニングは初めてという人が多く「最初はコンパスの使い方がちょっぴり不安でした。でもだんだんわかってきますよね」という明るい声も。そして、1日目が終わった後のキャンプの楽しみ、山で食べるご飯のおいしさがたまらないという声が数多く聞かれました。

眺めのいい尾根からの景色。下の道を一目散に走るライバルたちの姿を見ると、どうしても気がはやってしまう

自分たちの体力に応じてチーム毎にルートが決められ、疲れたら補給食をとって休憩するのも自分たち次第というめずらしい競技、ロゲイニング。他のチームとすれ違ってホッとしたり、ときには後ろから追い越されて焦ったり、刻々と変わる状況によって感情もさまざま。なにより、野山を走り回ってチェックポイントを見つけられた時の喜びは格別です。そしてゴールしてみないと自分たちの順位が想像がつかないという醍醐味も味わえます。今回の「石井マウンテンマラソン」は、大自然の中でのキャンプという非日常がプラスされて、その魅力も倍増だったようです。

(文・こだまゆき/写真・野呂美帆)

チェックポイントは道沿いのわかりやすいところにあるとは限らない。さぁ急げ!

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