はじめてのサウナ

<2>タナカカツキさん「サウナ前と後で起きる、三つの変化」

  • 写真 池田晶紀
  • 2018年7月10日

>>タナカカツキさん「サウナは、水と熱だけのオーガニックコスメ」から続く

日本サウナ・スパ協会公認サウナ大使にしてマンガ家、コップのフチ子のお父さんでもあるタナカカツキさんが仕事で人に会うのは、もっぱらスパ施設。スウェーデンで開かれた国際サウナ会議から戻り、平日の穏やかなスパのレストランで、静かに話をするタナカさんの声は、実は熱を帯びていました。質問は「サウナに出会って、タナカさんの中で、何が変わったのですか?」……さて、その答えは?(&w編集部)

    ◇

タナカさんは、サウナ体験前と後の変化として、「まず、身体的な変化」をあげた。

1.身体が変わる

確かに、体を温めるのでいいことづくしなのだ。

「パソコン作業が多いので、サウナに入る前は、目が疲れたり、肩こり、腰痛など、コリの症状に悩まされてました。あとは肌荒れとかね。血の巡りがよくなるからか、そういうちょっとした症状が軽減されて、疲れやストレスもすぐに解消されるし、コリもなくなったし、眠れるし、風邪もひかなくなりましたね。それが直接サウナのおかげかどうかは、わからないですけど」

2.五感が変わる

次に「五感、特に香りに敏感になった」という。サウナでは、ロウリュ(蒸気)といってサウナストーブの上のサウナストーンに水をかけ、蒸気を発生させ、湿度を高めて体感温度を上げる楽しみ方がある。その水に最近は香りのよいアロマ水を混ぜる施設が増えていて、これがまたリラックスを誘う。「沈静系とか森の香りとか、自分の香りの好みがわかったり、このアロマは何と何をミックスしてるなとか、わかるようになったり。さらには疲れるとデパートのアロマコーナーで香りをかいだりするようになってますね……おっさんなのに(笑)」

国際会議の最終日、スウェーデン・ハパランダ郊外のサウナ宿泊施設Kukkolaforsenでは、何棟ものサウナから薪の煙が立ちのぼる中、のんびりとあたたまり、飲んで、食べ、くつろぎ……が繰り返された。これがサウナのもともとの楽しみ方(写真 タナカさん提供)

3.時間の使い方が変わる

そしてサウナに通うようになって最大の変化は、「働き方が変わったこと」だという。

いま、タナカさんは朝4時に起床、8時間仕事して、12時には区切りをつけて、午後はサウナに行くことが多いそう。

「この本『はじめてのサウナ』も、編集者との打ち合わせはすべて朝5時からのラインのやりとりで進んでいました。働くと休むって、セットなんですね。積極的にさぼったり休んだりすることを意識的にしないと、だらだら仕事するのでまた休む時間がなくなる悪循環に陥りがちです」

でも、なかなかサウナに行く時間までは作れなくて……。そう言うとタナカさん、

「時間がない人の特徴が、無計画っていうことなんです」

と、静かに言った。おおお。

「仕事のスタイルはそれぞれ皆さん違うと思うんですけど、どこまで具体的かということだと思うんですよ。たとえば仕事が終わってから寝るまでの間、ほとんど無計画だと思うんです。時間割で動いてる人は、はいここからサボる時間、ここから自分の時間というはっきりした時間があるので、その人は常に時間がある。時間割で動いてない人は、時間がいつもないんです……って、もうサウナの話と関係なくなってきましたね(笑)

でも、なんか、変な時間があると思うんですよ。この時間、自分何してんのやろっていう。たいてい、だらだらしてる。そこを、ちゃんと休む。積極的に、計画的に、効率よく休むっていうことをその時間にもってきたら、パッキパキになりますよ」

そんなぜいたくな環境でも、つい日本のサウナが恋しくなっている、タナカさん(同上)

タナカさん、そういうことを、サウナ室で考えるという。

「サウナ室はすごく静かなんで。テレビがあったりするとダメですけど、うっすらとオルゴールが聴こえるか聴こえないか、幻聴みたいにかかっていたらもう最高。なんとなく薄暗くて、で、香りもいいと、ほぼ瞑想の時間に近くなっていく。サウナの時間って自分を見直す時間でもあるんです。自分をいったん俯瞰してみる時間を持たないと、ずっと何かに巻き込まれて、他人の時間で動いちゃうんですよねえ」

最近ではタナカさん、「サウナ施設まで行っても入らないこともある」という。

「サウナに行くって、気持ちをリフレッシュしたり、疲労を回復したりするのが目的で行くんですけど、着いた瞬間に、もう条件反射みたいな感じで、館内着を着て人と話しただけでもう入った後みたいな状態になって、もう入らないで帰る時もあるんです。なんかもう『ととのったな』と、もういいやと。サウナに入るなんて野暮、それ依存? みたいな気分になってくる」

さらには、サウナ好きの友人たちと作っているグループラインで、ととのった友人の写真を見るだけで、もうととのってしまうとか。「そういう中毒性がありますねえ」

自分の体と心に起きている、ゆっくり変化していく感覚が、強烈なエンタテインメント、とタナカさんは言う。

「大人になると、変わることってあまりない気がするじゃないですか。でも、変わるんですよ。だんだん水風呂に入れるようになって、そのうち、水風呂を見ただけで気持ちよくなる。そして、思考が前向きになって、いやなことは忘れるようになる。まあ、いいことも忘れちゃうんですけどね(笑)」

次回は、大人にそんな変化を起こすサウナの入り方を、詳しく伝授していただきます。

BOOK

『はじめてのサウナ』

『はじめてのサウナ』(リトルモア)
タナカカツキ 文 ほりゆりこ 絵

時代は空前のサウナブーム!
ヨガ・ピラティス・岩盤浴に続き、
いま感度の高い女性が足しげく通っているのは、サウナです!

日本サウナ・スパ協会公認のサウナ大使・タナカカツキが語るから、
未体験の人にもゼロからまるっとわかる。
まるで絵本のような女性向けサウナ指南書です!


税込1512円

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PROFILE

タナカカツキ マンガ家

著書に『オッス!トン子ちゃん』『サ道』『すばらしきインドア大自然~水草水槽のせかい』、天久聖一との共著『バカドリル』など。水草レイアウトの世界ランカーであり、日本サウナ・スパ協会公認のサウナ大使でもある。カプセルトイ「コップのフチ子」の企画、デザインなども。
http://kaerucafe.com/

ほりゆりこ イラスト

1978年大阪生まれ。さそり座 A型。デザインやイラストの本職のかたわら「大自然と一体化」をテーマに主に関西を拠点に活動するTent Sauna Party所属。リトアニアのサウナハットアーティスト、ヴィクトリアからワークショップを受け「TSP式サウナハット」を考案・制作。

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