リノベーション・スタイル

<173>しっかり仕切る?ゆるやかに仕切る?マネしたい空間のアイデア

  • 石井健
  • 2018年7月4日

[LAND LIFE調布国領 208号室]
東京都調布市 築26年/69.28m²

    ◇

 今回は、住環境ジャパンという会社が事業主となってプロデュースし、私たちブルースタジオがデザインを担当した物件をご紹介します。

 このプロジェクトは、もともと社宅だった建物を、一棟まるごとリノベーションするというもの。すべての部屋が注文型リノベーションで、間取りも好きなようにできる新しいタイプのリノベーション住宅です。

 以前も大胆なリノベーションをした別の部屋(<165>扉のない美術館のような空間に)をご紹介しましたが、今回ご紹介する部屋は間取りはほとんど変えず、一見するとオーソドックスなリノベーションです。

 まず、玄関から入ると右手に寝室が2部屋、左手にキッチンや水回り、リビングダイニングと寝室があります。間取りはいたって普通ですが、特徴は大きく二つ。

 一つ目は玄関先のフリースペースの中庭(パティオ)です。3.1畳の空間があり、いろいろな用途に使うことができます。天然石のタイルの床と、クラシックモロッカンスタイルのインテリアが、エキゾチックな空間を作っています。二つ目の特徴は、「ドアを開けると別世界」になるようにデザインされていること。今回の部屋は、一つひとつの空間が独立しているので、そこを生かしました。家の中に「小さな街」があるようなイメージです。

家族が集まる中庭(パティオ)には、天然石のタイルを敷いた

 寝室の2部屋にはパイルが長めの人工芝を敷いています。子どもたちの寝室には、リビングから「自分の家」に帰っていく……というシチュエーションをイメージして、アーチ型の窓をつけました。

 キッチンとリビングも別世界が広がっています。キッチンはステンレスで統一していますが、リビングを構成しているのは主に木で、インテリアは「モダンリヤド」スタイル。ここで空間が切り替わっています。また、床も玄関からキッチンまではタイル、リビングからはフローリングというように、空間によって素材を変えました。

躯体を利用してコの字型のカウンターを設けた。ダイニングとキッチンの配膳がスムーズにできる

 さらに、リビングには隣の寝室との仕切りとして、大きな棚を造作しました。これなら風や光は通りますが、物を置くとゆるやかに空間を仕切れます。もちろん、しっかりと仕切りたい場合は壁にすることもできます。

 壁で空間が仕切られているからこそできる大胆な雰囲気の切り替えと、空間をゆるやかに仕切るからこそ生まれる心地よさ……その両方が取り入れられたお部屋です。ぜひみなさんの部屋作りの参考にしてみてくださいね。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)「ブルースタジオ」執行役員

石井健

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。

ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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