It's me! and w

9月1日現役引退。勝負を乗り越え、次へ歩みを。

  • 文・写真 忠地七緒
  • 2018年9月13日

  

「It’s me! and w ―写真で切り取る、わたしらしさ―」は、毎月読者のみなさんを1人撮影しお話を伺い、一人ひとりの「わたしらしさ」に思いをはせる連載です。

>>第1回 「わたしらしく生きる」って何ですか?

   ◇

「もし良ければ”テキサス”って呼んでもらえるとうれしいです」
It’s me! and w第3回の取材は、そんな言葉からはじまりました。

「高校時代、幼なじみと過激パフォーマンスチーム“ザ・ショッキング”を結成しました。私は”TEXAS(テキサス)一万尺”という芸名で、言葉の響きが絶妙にダサいのがお気に入りです。当時は地元の深夜テレビに出演したりして、ちょっとした有名人でしたね。大学入学を機に上京し、結成16年目。今もパフォーマンス活動は細々と続けています」

テキサスさんはパフォーマーでありながら、プロのキックボクサー”テキサス・アユミ”としてもリングに立っています。なぜキックボクシングを?

「20代の頃、毎月20本ものライブを精力的にこなす一方で、朝から酒浸りの生活を送っていました。このままだと人生ダメになる……そんな恐怖に駆られてキックボクシングを始めたんです。だって体を動かしている間は、お酒を飲めないでしょう?(笑)」

「キックボクシングを始めて一番良かったのは、お酒をやめられたこと」と軽やかに笑うテキサスさん。「もともと『プロになりたい!』という野心はあまりありませんでしたが、周りの人が応援してくれて、2017年1月にプロに転向しました。…でも実は私、引退が決まっているんです」

あまりに自然に、そしてあっけらかんと「引退」の二文字を口にしました。

「もともとプロデビュー直前に白内障を患っていることが判明して。本当は1試合限りで引退する予定でした。その後もありがたいことに試合のオファーが続いていましたが、最近ガクッと目の調子が悪くなりました。だから今年の9月1日が“テキサス・アユミ”としての最後の試合です」

  

あらがいようのない現実を目の当たりにし、一つの終止符を打つこと。「最初は悔しかったです。チャンピオンになれる可能性もゼロではなかったので。ただ…実は夫もプロのキックボクサーとして戦っていて。厳しい世界だから私がプロになることを大反対していたんです。それでもずっと支えてくれました。だからそろそろ潮時かな、と」

これから大事にしたいのは夫との時間だとテキサスさんは言う。節目を迎えたその時、本当に大切なことを選び取れれば、軽やかに次へと歩みを進めていけるのかもしれません。

「もうひとつ、これからも大事にしたいのは”テキサス”としての自分。私、愛称は色々ありますけど、17歳の時につけた”テキサス”という名前をずっと名乗っていきたいんです。“テキサス”としてパフォーマンスし、“テキサス”として新たなことにチャレンジしていきたい。”テキサス”と呼ばれる自分が一番わたしらしいから」

  

次回の更新は10月下旬予定です。

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PROFILE

忠地七緒(ただち・なお)フォトグラファー / ライター

忠地七緒

1987年兵庫県神戸市生まれ。
上智大学文学部新聞学科卒業後、雑誌編集者を経て2017年に独立。主に女優やアイドルのポートレート撮影、インタビュー執筆を中心に雑誌・ウェブメディアで活動。作品制作にも力を入れており、2017年写真集『Ambivalence』を出版、2018年2月に表参道ヒルズにて写真展を開催。女性の飾らない姿を切り取る写真に定評がある。東京・清澄白河で夫と二人暮らし。HP:http://naotadachi.com/
インスタグラム:@naotadachi

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