東信さん「花に思いを託すことは人間の普遍的な行為」。原宿で展示会「戦争と花」

  • 2018年8月6日

  

フラワーアーティスト東信さんの花・植物を題材とし、実験的なクリエーションを展開する集団「AMKK」が、ギャラリー「The Mass」と共催で展覧会を開催中です。

テーマは「戦争と花」。

マグナム・フォト、共同通信イメージズ、朝日新聞フォトアーカイブの数ある写真のなかから、東さんらが7~8年ほど前から集めていたイメージにあったものを選択。全87作品を展示しています。

© Bernie Boston / The Washington Post / Getty Images / Kyodo News

今回の展示会の“きっかけ”に、ある1枚の写真が影響していると東さんは語ります。

「7~8年前、今回のメーンビジュアルでもあるベトナム反戦運動時の『Flower Power』(上記)を目にしました。その頃から、なぜ戦争という人類が生み出した最も醜悪なものの中でも、花が寄り添うように写り込んでいるのか。また、写真だけでなく絵画でも人のそばに花が描かれていることについて、“花に思いを託すこと”は、人間の普遍的な行為であるということを感じ、『戦争と花』という視点で折に触れて写真を集めはじめました」

© Shiinoki / AMKK

今回、報道写真のアーカイブスから戦争と花にまつわる写真をセレクト。膨大な量の写真を見ていて、「人がいかに言葉にできない感情や願い、慈しみを花に託しているか、それが人類共通のものであるかということを再認識させられた」とも。

  

海外の人や若い人が多く訪れる展示会「戦争と花」

展示棟は3つにわかれており、「戦場と花、祈りと花」「死者へ手向ける花」「兵士と花」と、それぞれテーマが設定されています。

  

「戦場と花、祈りと花」は、戦争の中で花が被写体になっている写真が集まっています。偶然、戦場に花が生えたものや、人が意識的に手にしているもの。人が花に望んだものを想像させられます。

「死者へ手向ける花」は、人々が花を手向けている姿でまとまっています。戦争の犠牲に対して花を飾る姿から、手向ける人の感情が伝わってきます。

「兵士と花」では、花とともにある兵士の姿の写真が。“花がそこにある”ということで、厳しい状況下でも一瞬緊張がほどけ、生きていることに喜びを感じる一方で、これから訪れるかもしれない死を予感させる存在にもなっています。

  

「このきな臭い世の中。少しでも平和への思いを改めて考える機会にしてもらえたら、というのが一番の願いでした。ですので、それが少しでも広まっていったらうれしく思います」とは東さん。

ギャラリーがあるのが原宿。多くの人が行き交うこの場所で、ふと足を止めて訪れる人も多く、海外の方や、とりわけ若い人たちの姿が目立っているそう。会期は8月15日(水)までとなっています。


戦争と花
会場:The Mass(東京都渋谷区神宮前5-11-1)
電話番号:03-3406-0188
開廊時間:12:00〜19:00
休廊日:火、水(8月14日、15日は開廊)


AMKK
フラワーアーティスト東信(あずま まこと)の花・植物を題材とした実験的なクリエーションを展開していく集団であり、その活動は、花・植物のみが有しているもっとも神秘的な形を見つけ、それを芸術的レベルに変換し表現する事で、植物の存在価値を高める事に一貫している。


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読者から届いたさまざまな「物語」を、フラワーアーティストの東信さんが花束で表現する「花のない花屋」はこちら

PROFILE

東信(あずま・まこと)フラワーアーティスト

東信

1976年生まれ。
2002年より花屋を営み続け、現在は東京・南青山にてオートクチュールの花屋「JARDINS des FLEURS」を構える。2005年よりフラワーアーティストとして、ニューヨーク、パリ、ドイツ、ブラジル等、国内外で精力的な活動を展開。独自の視点から花や植物の美を表現し続けている。
作品集に「ピエール・エルメ サティーヌ」「ENCYCLOPEDIA OF FLOWERSII 植物図鑑」(ともに青幻舎)など。http://azumamakoto.com

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