Woman’s Talk

「青春がフラッシュバックする不思議な感覚」ともさか りえさん(女優)×板谷 由夏さん(女優)

  • 2018年8月17日

  

8月31日(金)公開の映画『SUNNY 強い気持ち・強い愛』。90年代、ルーズソックスで闊歩(かっぽ)した仲良し女子高生6人組の物語と、その後会うこともなく過ぎた20年後の彼女らの人生が交錯する。リーダーで後にビジネスで成功、しかし病に倒れ余命1ヵ月の「芹香(せりか)」を演じた板谷由夏さんと、離婚して子どもとも引き離され、すさんだ暮らしを送る「心(しん)」を演じたともさかりえさんの仲良し対談。

板谷 昨年11月の撮影でしたけど、リーダー役が私でいいのか、撮影初日を迎えるまで心配でした。

ともさか いや、由夏ちゃんと聞いてほっとしたというか、すごくスンナリ、芹香だと思えたよ。

板谷 ほんとに?(笑)。

ともさか いきなりクランクインがラストシーンの撮影だったんだよね。

板谷 高校生のみんなと踊るシーン。だから役作りを考える前に、とにかくみんなで必死に踊った。

ともさか 篠原涼子さん、小池栄子さん、ずっと年下の渡辺直美さんも、みんな本当の同級生だったような気分になって、不思議な感覚だったね。

板谷 広瀬すずちゃんたち高校生チームより、大人チームの方が明らかにはしゃいでいたね(笑)。

ともさか 芹香のお葬式シーンでさえ、うるさかった。あんないいシーンで(笑)。でもあそこはリハーサルから号泣で、涙がとまらなくて困った。

板谷 私はりえちゃんのスナックのシーンがすごく好き。せつないシーンで、20年間、色々なものを背負って生きてきて、ぐっときたなぁ。

ともさか どういう状況でどう生きているかを、一つのシーンで伝えなければいけなくて難しかったけど、面白いシーンになったと思う。試写で見た時、ストーリーは全部わかっているのに、後半はやっぱり泣けちゃうというか。自分の青春時代が一気にフラッシュバックするような不思議な感覚にもなった。

板谷 20年後というのが、妙にリアルよね。10年ではまだ振り返れない。りえちゃんは共学?

ともさか 私は共学。

板谷 私は女子高だったから、まさにあの感じ。お昼に競争で購買部へ走ったり、みんなでしゃべっている感じとか、それだけでも胸キュンだった。

ともさか 私は学校に行くより仕事をしていたので、憧れの青春時代がつまっている感じ。由夏ちゃんは、芹香同様、リーダー的存在だった?

板谷 私は二番手の存在かな。

ともさか 本当? でも女子校でモテそうだよね。

板谷 ラブレターもらったりしたよ(笑)。

ともさか やっぱり(笑)。

板谷 女子校時代が一番モテたかな(笑)。

「好きなことを仕事にする」

板谷 高校時代は楽しかったな。中学は混沌(こんとん)としていて、絶対、戻りたくない。暗黒だった。

ともさか いま、うちの息子が中学2年だけど、イライラしてるよ。

板谷 中学生って、まだなりたいものがわからないのに、将来何になりたいとか聞かれたり。

ともさか ああ、私も聞いちゃっているかも。

板谷 高校生になると、自分の夢とか見えだして、私は高校1年の時、雑誌のモデルになりたいと思って、もう就職はせんよと、母に断言した(笑)。

ともさか その意味では、私は12歳から仕事をしているので、ちょっと違う。むしろ芝居をすることが好きというところから始めて、それを仕事だという意識に切り替える頃が一番キツかった。

板谷 いつ頃?

ともさか 特に20歳になる少し前。好きなことを仕事にするのはしんどいんだなと。実家だから生活するという切迫感もないし。悶々(もんもん)としていた時期は結構長くて、子どもが生まれてやっと働くことの意味というか、折り合いがついた感じ。

板谷 私は地方から出てきて一人暮らしだからりえちゃんの逆。好きなことで食べていきたいけど、どうやっていくのか、その大変さで色々考えたかな。結局、芝居は好きだけど、できないということに私は苦しんだので、いただいた仕事を一つずつ重ねていくしかないと腹をくくるまでがキツかった。いまはやらせていただけることが有難いし、出会いがたくさんあるから、ずっと続けたいな。

ともさか 私もいまは好きなことが仕事になるなんて有難く、ラッキーだと思っています。

板谷 ところで私たちの出会いは10年ほど前、あなたの出産本を読んで感銘をうけて話を聞きたいと、共通の友人もいないし、共演したこともないのに、図々しくあなたの家を訪ねたんだよね。

ともさか とても自然な流れだったような(笑)。

板谷 でも私はどうやってりえちゃんの電話番号をゲットしたんだろう(笑)。快く迎えてくれて、息子さんと遊んで、スパゲティ食べて(笑)。2人目は夢がかなって、自分の家で産みました。

ともさか 自宅出産は面白いよね。映画は20年ぶりの再会の話だけど、10年後にはどんな暮らしをしていたい?

板谷 元気で健康ならいいなあ。芹香を演じたから、余計にそう思う。

ともさか そうだね。なにより健康だね。じゃ、高校生の自分にいま何かを伝えるとしたら、どんなことを言いたい?

板谷 私は時々、中高校生の自分に将来、憧れていた人に会えるよ、と教えたくなるの(笑)。だから会いたいと思い続けておけよと、その芽を摘むなよと言いたい (笑)。

ともさか ステキステキ。私は何だろう。大人になれば、すべてがうまくいくように思いがちだったけど、そんなことないよと。いまも十分楽しいし、最高だよと。かといって辛いこともあるけどねと。この映画は、お母さんと高校生の娘さんが一緒に見るのもおもしろいかもね。

板谷 そうだね。でもそういうとき、私は娘が欲しかったなと思うんだよね(笑)。

ともさか・りえ
1979年東京都出身。12歳でデビュー。以降、ドラマを中心にCM、舞台、映画と活躍。25歳で第一子長男を出産。90年代には「金田一少年の事件簿」、その後、TVドラマ「anego〔アネゴ〕」「ファースト・クラス」「アシガール」、映画『ちょんまげぶりん』『100回泣くこと』『脳内ポイズンベリー』『PとJK』など多数。

いたや・ゆか
1975年福岡県出身。99年、映画『avec mon mari』で女優デビュー(ヨコハマ映画祭最優秀新人賞)。以降、女優として活躍の一方、2007年から『NEWS ZERO』取材キャスターとして活躍。現在、WOWOW「映画工房」でMCも務める。2児の母親。この夏は、舞台「大人のけんかが終わるまで」の公演に8月12日まで出演。

■この記事は、2018年8月9日付朝日新聞朝刊「ボンマルシェ」特集のコーナーの転載です。

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