朝日新聞ファッションニュース

ノワール・ケイ・ニノミヤ 二宮啓さん 「『黒』で紡ぐエレガント」

  • 2018年8月22日

1984年生まれ=伊藤菜々子撮影

花をつなげたようなドレス、チュールを重ねたスカート。今年3月のパリ・コレクションで、立体感のある服をまとったモデルたちがランウェーを歩いた。

服はすべて黒。フランス語で黒を意味する「ノワール」をブランド名に冠した「ノワール・ケイ・ニノミヤ」がパリ・コレに本格デビューを果たした。デザイナーの二宮啓(34)は差し色は使うが、黒一色に絞り込んだもの作りをする。「好きな色そのものをテーマにすることで、コンセプトをより強く押し出せる」

2018年秋冬コレクション=大原広和氏撮影

大分県出身。青山学院大文学部でシュールレアリスムを研究した後、ベルギーのアントワープ王立芸術アカデミーを経てコムデギャルソンに入社。川久保玲の考える服を形にするパタンナーとして4年間、仕事をともにした。「何度も『だめ』と言われながらトライを繰り返した。その中で、社長(川久保)の考えを探った」と回顧する。

師と異なるテイスト 新しい分野へ

実力を認められ、社内の新ブランドを担ったのは2012年。当初から「常に新しいもの作りをする」という姿勢で、金具で布をつなぐ手法も多用する。

服はフェミニンでエレガント。川久保が手がけ、世界へ発信し続けるコムデギャルソンがもつ反骨・反逆の精神や、副社長の渡辺淳弥によるジュンヤ・ワタナベの先鋭的なカッティングとはテイストが異なる。もちろん本人も意識しており、「社長や渡辺と同じことをやってもしょうがない。会社として、これまでやったことのない分野にトライしたい」と語る。

今年の秋冬ではモンクレールとの協業にも取り組み、繊細な作りのダウンジャケットなどをリリース。世界的デザイナーへの階段を着実に上り始めた。

6モンクレール・ノワール・ケイ・ニノミヤ

はた目には輝かしい経歴だが、苦悩も抱えている。「ずっと服のことを考えているけれど、ほとんど浮かんでこない」「終わったショーを見返すと、『もっとできた』『ああすれば良かった』と後悔ばかり」とこぼす。しかし、それは努力と、クリエーションに対する欲求の裏返しでもある。(後藤洋平)

ベーシックでもデザイン性 バーニーズジャパン・中尾有里バイヤー

2015年春夏シーズンからバーニーズで扱い、たいへん好評だ。当初は2店舗での展開だったが、現在は全6店舗に広げ、取引量もかなり増やした。デザイン性が際立ちながらもベーシックであることを大切にしており、多くのハイブランドよりも手頃な価格であることも受け入れられている要因ではないか。20代から60代まで幅広く支持されている。

秋冬のモンクレールとの協業も細かい作業が施されており、美しいデザインだった。今後も変わらぬ姿勢で服作りを続けて欲しい。

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