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過酷なのにナゼ? 一般女性が障害物レース『スパルタンレース』にハマる理由

  • 文・写真/山畑理絵
  • 2018年8月24日

  

人生100年時代とも言われる昨今、健康への関心は低くありません。“楽して健康”よりも“楽しく健康”に。そう考える皆さんに、“運動のある過ごし方”をご提案。

今回は、世界最高峰の“障害物”レースと名高い『スパルタンレース』。2017年に日本に初上陸するやいなや、初開催で出走者・観客含め5000人以上という驚異の動員数を叩き出した特殊な競技です。

  

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2018年5月19日、日本で3回目となる『スパルタンレース』が開催されました。出走者は3950名。会場の東京ドイツ村(千葉県袖ヶ浦市)は、朝から異様な熱気に包まれました。

『スパルタンレース』は泥だらけになる非日常感が、クセになる?

そもそも『スパルタンレース』とは、腕力と脚力を使って重りを持ち上げたり、立ちはだかる大きな壁を乗り越えたり、有刺鉄線の下をほふく前進で潜り抜けたりと、身体能力を高める要素を取り入れた障害物レースのこと。日本ではまだまだなじみのないジャンルですが、世界39か国で165以上のレースが開催され、全世界参加者数はなんと100万人以上。世界的に盛り上がっている競技です。

「Hercules Hoist」では無我夢中で重りを必死に持ち上げる

内容は、山道あり、泥沼あり、壁ありといった起伏の激しい環境に、障害物がてんこ盛りの“スパルタ式”。

たとえば、12種目めの「Hercules Hoist」。これは片足を地面につけた状態で重り付きのロープを引っ張るという障害物ですが、腕力だけでは到底持ち上がらないので、脚力と身体の重心もうまく使わなくてはなりません。

また、20種目めの「Atlas Carry」では、「自分の体重と同じくらいあるのではないか」と思うほど重たい石球を反対側の旗まで運び、そこで石球を置いてバーピー(*1)を5回、その後また石球を持ち上げてスタート地点に戻すというもの。持ち上げるだけでも一苦労なのに、一旦置いてバーピーを5回もするなんて……。そもそも、ここにたどり着くまでにすでに19種目の障害物をこなしているわけであって、腕はもうパンパン。なかなか力が入らないので、全身でうまくバランスをとって持ち上げるのです。

(*1)スクワット、腕立て伏せ、ジャンプなどを一連の流れで行う全身運動のこと

両腕で抱えたり肩の上に担いだりして、石球を運ぶ「Atlas Carry」。クリアの仕方は十人十色

スパルタンレースは、参加者が一斉にスタートしません。自分の限界に挑戦したい人向けの賞金レース「エリート」、年齢で分けられた「エイジグループ」、完走をめざす人のための「オープン」など、カテゴリーごとに時間差でスタートします。

  

今回の障害物は、全部で22種類。歩いたり走ったりしながら、目の前に現れる障害物に挑むのですが、世界最高峰の障害物レースというだけあって、待ち受ける試練はどれもハードなものばかり。

そのため、クリアできない人が出てくるのも当然のこと。そこで、バーピーを30回行えば次に進めるという特有のルールがあります。でも、このバーピーも正直いってかなりしんどい。さすが、スパルタン……!

それゆえ、日頃から体を鍛えているストイックな人が参加するものとばかり思っていましたが、実際にレースを目の当たりにすると、そうでもない様子。しかも、意外にも女性の参加者が多くて驚き。

筋肉は悲鳴をあげるし、ウェアも顔も泥まみれ。なのに一般女性の参加者も多いという同レース。しかも、声をかけた一般参加の女性は、ほとんどが2回目以上のリピーター。過酷な障害物レースに、彼女たちはなぜ魅了されてしまうのでしょうか。

ずぶ濡れドロドロ覚悟の新種目「Rolling Mud」。大会ごとに新たな刺客が立ちはだかる

なかには、泥水の中の障害物を潜り抜けるものも

バーピー30回で全身パンパンです

「ストレス発散」「日頃のトレーニングの成果を出したい」……参加理由はそれぞれ

  

もちろん、参加者が終始笑顔というわけではありませんが、過酷なレースのわりに和気あいあいとした空気があるのも事実。順位を競うトップクラスの選手同士でも、ゴール後に声をかけ合って讃え合う姿がありました。

ライバルは、他人であり、自分であり、そして数多くの障害物。それをともに戦い抜いたという、“戦友”のような仲間意識が生まれるのかもしれません。

最後は、燃え盛る炎の上をジャンプ!

参加する理由や、職業もさまざま。普段会社員をしているという女性は、「泥まみれになるのが非日常的で楽しい。ストレス発散になる」と言い、また、ジムのパーソナルトレーナーをしている女性は、「日頃のトレーニングの結果をお披露目する場」とのこと。

なかには、「ランニング仲間に誘われて参加してみたらハマってしまった」という女性も。完走という目標に向かって、みんなで励まし合いながら、やり遂げたときの達成感を味わうスタイルは、団体競技のようでもある。スパルタンレースに参加する理由は、ただ単に「体を鍛えたいから」という理由だけではないようです。

  

「前回参加した時に、“絶対クリアできる”と思っていた障害物がまったくクリアできなかったんです。シンプルに悔しくて。悔しくて、仲間と一緒にトレーニングすることになりました。公園で。人がいない早朝の公園でうんていにぶら下がったり、壁をよじ登ったり、意外とスパルタンレースに応用のきく遊具があるんです。大人にもなってこんなにも公園で遊ぶとは思ってもいませんでした(笑)。こういった準備を仲間と一緒にできたことは大きかったです。一人だけできないと落ち込みますし、その気持ちがわかるので励まし合ったりしてレースを迎えました。今日は前回できなかった障害物をクリアできましたし、年代別で4位にもなりました。また、次回、今回できなかった障害物をクリアできるように練習します」

こう語る女性もまたプロのアスリートではなく、普段は会社員。

仲間と出走することが、大変だけど楽しめるという要素になっている

9月8日(土)には、今年2回目となるスパルタンレースが開かれます。今度は群馬県にある水上宝台樹スキー場にレースの場を移し、多岐にわたるロケーションのなかで苦しくも楽しい!? 障害物が待っているとのこと。

そして、12月15日(土)に、アジア初開催となるスタジアムレースも開催決定。楽天生命パーク宮城(仙台市)が舞台となります。

9月のレースは一部カテゴリーを除き完売となっているようなので、7月末よりエントリーを開始した12月のアジア初のスタジアムレースに参加していつもとはひと味違うスパルタンレースを体験してみては?

  

筋肉疲労満点、泥まみれ必至。だけど、不思議とヤミツキになっちゃう『スパルタンレース』。怖いもの見たさに、ぜひ仲間を誘って挑戦してみてはいかがでしょう。もしかしたら、まだ見ぬ自分に出会って、新たな扉を開けてしまうかも?

スパルタンレース
http://spartanracejapan.info

問い合わせ先
スパルタンレース事務局(土日祝除く 平日10:00-17:00)
TEL:03-3712-1125
Mail:info@jp.spartan.com

(文・山畑理絵、写真・山畑理絵、オフィシャル、SPARTAN RACE JAPAN)

辛いながらも、どこかこの試練を楽しんでいる!?

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