Netflix作品が初栄冠 ヴェネチア国際映画祭2018

  • 2018年9月10日

金獅子賞を受賞した「Roma」のアルフォンソ・キュアロン監督/Reuters

 世界三大映画祭のひとつ、第75回ヴェネチア国際映画祭が8月29日から9月8日までイタリアで開催されました。アカデミー賞を頂点とする映画賞レースの最初の関門としても注目が高まる世界最古の映画祭には、今年も話題作がずらり。コンペティション部門も近年にない高水準の闘いに。激戦の末、「ゼロ・グラビティ」のアルフォンソ・キュアロン監督の「Roma」が最高賞の金獅子賞を射止めました。(英語題名の作品はいずれも邦題未定)

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「斬、」の塚本晋也監督と蒼井優、池松壮亮、前田隆成(左から)/Reuters

 コンペ部門には「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼル監督とライアン・ゴズリングが再タッグを組んだ「ファースト・マン」、「君の名前で僕を呼んで」のルカ・グァダニーノ監督がホラーの名作をリメイクした「サスペリア」など21作品が参加。オスカーの前哨戦としてヴェネチアに照準を合わせる新作が増え、英語作品が過半数を占める形となりました。そんななか、アジアから唯一コンペに選ばれたのが塚本晋也監督の「斬、(ざん)」。ヴェネチアのコンペは4度目の挑戦の塚本監督が、池松壮亮、蒼井優らをキャストに迎えた初の時代劇です。

コンペティション部門の審査員。右から3人目が委員長のギレルモ・デル・トロ監督/Reuters

 審査委員長は「シェイプ・オブ・ウォーター」で昨年の金獅子賞を受賞したギレルモ・デル・トロ監督。審査員は女優のナオミ・ワッツ、監督としても活躍するニコール・ガルシア、シルヴィア・チャンら9人中5人を女性が占めました。

 金獅子賞に輝いた「Roma」は、カンヌも上映を切望したものの、Netflix製作がネックになり断念したとささやかれる今回屈指の注目作。1970年代のメキシコのある家族と先住民系のメイドの物語で、メキシコ出身のキュアロン監督自身の少年期の記憶が色濃く反映されています。Netflix作品が初めて三大映画祭の頂点に立ったという点でも歴史に残る受賞でした。

「The Favourite」で女優賞に選ばれたオリヴィア・コールマン/Reuters

 監督賞にあたる銀獅子賞は「The Sisters Brothers」のジャック・オディアール。「ディーパンの闘い」でカンヌのパルムドールに輝いたフランスの人気監督が初めて全編を英語で撮った西部劇です。審査員大賞は「ロブスター」「聖なる鹿殺し」のヨルゴス・ランティモス監督が18世紀初頭の英国王室の葛藤を描いた「The Favourite」。同作でアン女王を演じたオリヴィア・コールマンは女優賞に選ばれました。男優賞には「At Eternity’s Gate」で画家フィンセント・ファン・ゴッホに扮したウィレム・デフォー。迫真の演技は批評家からも高い評価を集めています。

「At Eternity’s Gate」で画家ゴッホを演じて男優賞を受賞したウィレム・デフォー/Reuters

 脚本賞は「The Ballad of Buster Scruggs」のコーエン兄弟。もともとはテレビシリーズとして企画した6話のドラマを長編映画に仕立てた西部劇で、Netflixが製作。他にもAmazon Studioが製作に加わった「サスペリア」やマイク・リー監督の「Peterloo」がコンペ入りしており、動画配信サービスは映画祭でも存在感を強めています。コンペで唯一の女性監督だった豪州のジェニファー・ケント監督の「The Nightingale」は審査員特別賞とマルチェロ・マストロヤンニ賞(新人俳優賞)を受賞しました。

レッドカーペットに登場したレディー・ガガと監督のブラッドリー・クーパー/Reuters

 コンペ外で大きな話題をさらったのはレディー・ガガ。主人公を演じた「アリー/スター誕生」が特別招待作品としてプレミア上映され、この作品で監督デビューを果たした俳優のブラッドリー・クーパーとともにレッドカーペットに登場しました。音楽活動休止を宣言し体調が心配されたガガ様ですが、華やかなピンクのドレスで笑顔を振りまき周囲を魅了。「女優ガガ」の活躍は今後も注目を集めそうです。

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 ヴェネチアに続いて北米のテルライド、トロント、ニューヨークや英国のロンドンなどでも注目度の高い映画祭が相次いで開かれます。今回の出品者の多くも、映画祭めぐりの旅を継続中。最終地点のアカデミー賞までの長いレースを引き続きお楽しみに。

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