朝日新聞ファッションニュース

いま、スニーカーが厚い!

  • 2018年9月17日

90年代の流行に色・造形をプラス

ハイブランドが極端に靴底が厚いスニーカーを続々と発表している。3年ほど前からのトレンドが本格化し、「激厚(ゲキアツ)スニーカー」がブームの様相だ。

ディオール(左)、ヴェルサーチ(右)

MSGM

6月にあった欧州メンズコレクション。来年春夏に向けた新作発表の場で、ヴェルサーチはソールが5センチ近くあるスニーカーを履いたモデルを歩かせた。若者に人気のMSGMは得意のオレンジ、新デザイナーが就任して注目されたディオールは白を基調とした爽やかな配色で、ボリューム感たっぷりの足元を披露した。ドルチェ&ガッバーナディースクエアードのスニーカーは、アニメ「機動戦士ガンダム」を連想させる配色で、分厚い靴底だった。

ドルチェ&ガッバーナ

ディースクエアード

「東京スニーカー史」(立東舎)などの著書がある小澤匡行さん(40)によると、1990年代にファッションの影響を最も受けた世代が業界の最前線で活躍するようになり、当時流行したハイテクスニーカーが再評価されるようになった。かつてはナイキやアディダスなどのスポーツブランドが主役だったが、「現在ではハイブランドが、機能より見た目や気分を重視し、更に色やパーツを盛り付けた」というのだ。

バレンシアガのトリプルSを履く北條さん

その筆頭が、昨年秋から販売されているバレンシアガの「トリプルS」。ランニング用、バスケット用、陸上競技用の靴底の特徴を一つのスニーカーに重ねた人気商品だ。

集英社で「メンズノンノ」のウェブ編集を担当する北條貴文さん(44)もトリプルSを好んで履いている。数年前からアウターやシャツのビッグシルエットが流行しており、「大きめサイズの服と合わせるので、スニーカーがこの程度デカくても不自然ではない」と北條さん。

税込みで11万3400円と高価だが、「値段的にもデザイン的にも、誰もが履ける物ではない、という特別感もある」。そのあたりもファッション感度の高い人たちから支持される理由のようだ。

マルニ

ジミー・チュウ

バレンシアガの成功を受け、高価な厚底スニーカー市場に参入するブランドが目立つが、今回の欧州メンズコレクションでは更なる広がりも感じた。マルニジミー・チュウなどは、布地や皮革を使ったシンプルなローテクスニーカーでも底を厚めにしたものを発表したのだ。

小澤さんによると「ハイブランドのスニーカーでも、最近は『盛り』だけでなく美しさやバランスも考慮されるようになった。逆に、スポーツメーカーがブランドの影響を受けて『盛り』のシューズを作る動きもある」という。ブームは、まだまだ続きそうだ。(後藤洋平)

<ヴェルサーチ、ディオール、ディースクエアードの写真は大原広和氏、Runway-Photographie撮影>

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