川島蓉子のひとむすび

<51>RUMIKOさんの新コスメブランド “かっこいい大人美”「Amplitude」

  • 川島蓉子
  • 2018年9月27日

  

メイクアップアーティストであるRUMIKOさんのことは、以前から知っていました。ニューヨークを拠点に、一流のファッション誌の表紙や有名ブランドの広告をはじめ、多くのハリウッド女優の専属メイクを手がける一方、1997年、日本で化粧品ブランドを立ち上げて大成功――日本女性に向けた美を提案してきた、まさに第一人者です。

今年6月、RUMIKOさんが手がけた新ブランド「Amplitude(アンプリチュード)」の発表会が行われた際、初めてお目にかかりました。アンプリチュードとは、「豊かさ、奥行き、振幅、波動」のこと。「一面的ではない果てしなく奥の深い美しさ」への思いが、この名前に込められています。壇上に立って「日本でも、大人の女性たちがもっとリスペクトされ、成熟した魅力に自信を持って、人生を楽しんでほしい」と語り始めたRUMIKOさんは、細身の身体をシックなドレスで包み、背筋を伸ばして凛(りん)とした佇(たたず)まい。紡ぎ出される言葉のひとつひとつに深い思いが込められていて、身体と心にぐんぐん入ってくる――心動かされるひとときでした。
お会いして話を聞きたくなり、秋のブランドデビューを前にインタビューを申し込んだところ、快くお引き受けいただいたのです。

きりりとしたキュートさが魅力的なRUMIKOさん

さっそうと部屋に入ってきたRUMIKOさんは、ひざ上丈の少しトラッドな雰囲気のワンピースに、首元の中央に大きなペンダントを付けた装いです。いわゆるバリバリのキャリアファッションでも、今風の流行をふんだんに盛り込んだ装いでもありません。欧米で出会うことが多い、大人の女性ならではの魅力――品のあるコケティッシュさ、知性のあるエレガントさにあふれていました。早速、インタビューに入ったのですが、よそゆきで取り繕った気配がまったくない話しぶり。実にざっくばらんに、新しいブランドへの思いと日本女性に向けたエールを送ってくれました。

新ブランドは、ポーラの傘下で「THREE」などを展開しているACROという会社がRUMIKOさんに依頼したもの。
「長年仕事をしてきたACROの石橋会長から、新しいブランドの話をいただいて、大好きな開発の仕事なので真剣に取り組みました。まず最初につめたのはコンセプトでした」

言うまでもないことですが、コスメブランドは、百貨店をはじめ、ファッションビルやネット上に数えきれないほど存在している大激戦区。新ブランドを登場させるにあたって、どう独自性を出すかは最重要課題です。

発表会で披露された“かっこいい大人美”を感じさせるメイク

人気がある海外コスメブランドの多くはファッションを展開しています。
「ファッションブランドがつくる化粧品はイメージを発信しやすいのですが、私が手がけるのは、そうではない土俵で勝負しないといけない。お客様に明快なイメージを抱いていただかないと、と考え抜いた末、きちんと言葉を立てて女性像を語ろうと。“かっこいい大人美”と決めました」

そして、「生き方も考え方も愛し方も、そこまで含めて、かっこいい大人。精神的な成熟がなければ持てないものであり、そこには、誰もが憧れる美しさがある。それが『アンプリチュード』が目指すものです」という言葉に、大きくうなずかされました。

年齢や世代にかかわりなく、女性にとって、誰もがそうなりたいと思い描く女性像が、そこに浮かび上がってくるのです。女性の内面も含めた美を引き出し、背中を押す役割としての「アンプリチュード」は、今の日本女性が欲しているものと感じました。

「本当のナチュラルメイク」を追求するベースメイクアップシリーズ

では、具体的にどんな商品が登場したのでしょうか。肌の美しさを重視する日本女性のために、まず発表したのはベースメイクです。「かっこいい大人は、肌から変わって欲しいと思ったのです。大人の肌で最も大切なのは、透き通る感を持たせること。カバーして整えることも必要ですが、厚ぼったさや粉っぽさがない素肌感がある仕上がりを追究しました」とRUMIKOさん。

確かに、シミや小じわを隠そうと、ファンデーションを厚塗りしたり、粉をたくさん付けてしまうこと、よくあるのです。そして、朝、メイクしている時はともかく、仕事をスタートして午後に鏡を見た時、「えっ、厚化粧っぽい」とか「こんなに崩れて」と後悔すること――自分の顔は自分で見ることができないだけに、もどかしさを何とかしたいとずっと考えてきました。

伊勢丹新宿店のショップもシックな雰囲気でまとめられています

伊勢丹新宿店本館1階の正面入り口の右手に、できたばかりの新しい化粧品売り場があって、そこに「アンプリチュード」がショップを構えています。早速そこで、オフィシャルメイクアップアーティストの山川和芳さんに「大人の肌」をメイクしてもらいました。

山川さんは、巧みな手さばきで、たっぷりとリキッドタイプのメイクアップベースをのばしてから、リキッドファンデーションをのせていきます。リキッドファンデーションは、しっとりした艶(つや)感を出すにはいいのですが、カバー力が弱かったり、ベタついたりということがあります。しかし「アンプリチュード」のものは、艶感があるのに、シミをしっかりカバーしてくれて、手触りもさっぱり。何より、しっかり塗っているのに、つけ心地も厚塗りした重さがまったくなく、適度にメイクした軽やかさがあるのです。これはいいと思いました。

次回は、どうやってこのモノ作りができたのか。そのプロセスに心血を注いだRUMIKOさんのエピソードをお伝えしようと思います。

■Amplitude(アンプリチュード)

(商品と店舗写真 撮影・鈴木愛子)

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PROFILE

川島蓉子(かわしま・ようこ)

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伊藤忠ファッションシステム株式会社取締役。ifs未来研究所所長。ジャーナリスト。
1961年新潟市生まれ。早稲田大学商学部卒業、文化服装学院マーチャンダイジング科修了。多摩美術大学非常勤講師。日経ビジネスオンラインや読売新聞で連載を持つ。著書に『TSUTAYAの謎』『社長、そのデザインでは売れません!』(日経BP社)、『ビームス戦略』(PHP研究所)、『伊勢丹な人々』(日本経済新聞社)などがある。1年365日、毎朝、午前3時起床で原稿を書く暮らしを20年来続けている。
ifs未来研究所 http://ifs-miraiken.jp

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