料理家・冷水希三子の何食べたい?

新米の季節です! 旬の鰹を使った絶品「ごはんの友」

  • 料理 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子
  • 2018年10月4日

  

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部の「あれ食べたい!」に応えて料理を作ってくれるという夢の連載。今回は「新米に合う、とびきりのごはんの友」をというリクエストをいただきました。そこで、手軽に作れる常備菜をご紹介します!

    ◇

――冷水先生、こんにちは。いよいよ秋の気配も濃くなってきて、食欲がむくむくと湧いてきました!

冷水 まさに食欲の秋、到来ですね。

――今回は40代の女性からお手紙をいただきました。「毎年楽しみにしている新米の季節が近づいてきました。とびきりのお米を毎日おいしく食べたいので、ぜひいつも冷蔵庫に入れておける常備菜を作ってください!」とのことです。

冷水 「ごはんの友」ですね!

――冷水先生は、いつも必ず冷蔵庫に作り置きしてある「ごはんの友」ってありますか?

冷水 う~ん、私は仕事柄、いつも料理を作っているから、冷蔵庫には何かしら食べるものというか、「食べなきゃいけないもの」があるから(笑)。

――料理家さんの宿命ですね……。私たちからしたらとっても羨ましいですが!

材料はいつも冷蔵庫にあるものだけ。常備菜は思い立った時にすぐ作れる簡単なものが嬉しいです。

冷水 でも私も無類のお米ラバーですので、新米の季節は心が躍ります。今日は秋の食材を使って、お米がぐんぐん進む常備菜を作りましょう。冷蔵庫で1〜2週間保存できるので、平日忙しく働いている方にとってはお助け惣菜になると思います。

――わ、それは助かります!

冷水 秋の味覚といえば脂の乗ったカツオということで、今日の主役はピカピカのカツオです。この時期は生食用のカツオが柵で売られていますが、お刺身で食べた後に少しだけ余ってしまうことってありますよね。その部分を有効活用して、ごはんに合う佃煮を作ります。

――またまた助かります! お刺身はすぐに傷んじゃうから、余ったら困るんですよね。

前夜から鰹を調味液に漬け込むことで、味がしっかりとしみた佃煮になります。ポリ袋やジッパー付き密閉袋でも。

冷水 ポイントというか、唯一の手間は、前日から鰹を調味料に漬け込んでおくことです。煮るだけでも味は入るのですが、一晩漬け込んだ方が味がよりしっかりとついて、ごはんによく合うこっくりした佃煮になるんです。といっても、ビニール袋に調味料をザーッと合わせて、そこに切った鰹を漬けるだけなのでとっても簡単です。

――お酒、みりん、醤油、生姜の皮……。この漬け汁の材料を見ただけで白ごはんが食べられそう(笑)。THE和食の味付けですね!

冷水 梅干しを一緒に漬け込むのは風味づけです。決して酸っぱくなりすぎたりはしないので安心してくださいね。さっぱりとした旨味が出て、佃煮に深みが加わるんです。さあ、一晩鰹を漬け込んだら、あとは漬け汁と一緒に煮汁がなくなるまで煮るだけです。

――なんて簡単! 煮汁がなくなるまで煮るということですけど、煮ている間に鰹が崩れてしまったりしないですか?

冷水 漬け汁に醤油が入っていたでしょう? 塩分が加わるとお魚やお肉はキュッと引き締まる性質があるので、長時間煮込んでも煮崩れしないんです。だから鰹の食感もきちんと感じられるんですよ。

日本酒はそのまま飲んでも美味しい純米酒、醤油は天然醸造のもの、みりんも添加物が入っていない本みりんを使っています。毎日使うものなので、手頃な値段のものを選ぶといいですね。

――料理って化学なんですね~!

冷水 そういうことがわかっていると、ほかのお料理にも応用できますよね。そこがお料理の楽しいところでもあります。あと、もうひとつアドバイスするとしたら、醤油やみりん、酒など、使う調味料は良質なものを使うと味がワンランクアップします。高いものというわけではなくて、化学調味料が入っていないものや、単純に自分が「おいしい」と思うものを使って欲しいなと。

――この漬け汁は煮汁にもなるわけですから、調味料が命ってことですね。

冷水 気に入った調味料を使い続けていると、塩分や甘さなど微妙な塩梅がわかってきますから、お料理の腕もぐっと上がると思いますよ。色々使って見て、自分の好みに合うものを見つけてください。さて、煮汁がなくなってきたらそろそろ完成です。

――生姜のいい香り~。早く食べたいです!

炊きたてのごはんにのせて、さあいただきましょう!

冷水 熱々でもおいしいですが、冷やすとより味が入っておいしくなりますよ。これからごはんを炊きますから、その間に冷蔵庫で冷やしましょうね(笑)。

――はっ、すみません……興奮のあまりフライングしてしまいました。

冷水 ふふふ。たくさん作ったので、ごはんの友にも、あとはビールや日本酒にもよく合うのでおつまみにもぴったりです。そうそう、お茶漬けにしても絶品ですから、おいしそうな鰹を見つけたら、ぜひ作ってみてくださいね。

今日のレシピ

鰹の梅佃煮

◎材料(作りやすい分量)

・鰹(生食用)  250g
・生姜  1片
・砂糖  40g

A
・酒 200cc
・みりん 80cc
・濃い口醤油 70cc
・梅干し 1個
・しょうがの皮  適量

◎作り方

 鰹は1㎝角に切る。ビニール袋などにAを入れ、そこに鰹を加えて冷蔵庫で一晩漬け込む。
 しょうがを千切りにする。
 のしょうがの皮は取り除き、鍋に入れる。そこに2のしょうがの千切りと砂糖を加えて火にかけ、アクはを取り除きながら煮汁が鍋底に少し残るくらいまで煮る。

  ◇

次回更新は10月18日(木)の予定です。

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PROFILE

冷水希三子(ひやみず・きみこ)

写真

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

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冷水希三子(ひやみず・きみこ)料理家

冷水希三子

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

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