朝日新聞ファッションニュース

貫いた美意識、優雅さの源。芦田淳さん、60年にわたり活躍

  • 2018年10月30日

1960年春夏コレクション=ジュン・アシダ提供

 20日に88歳で亡くなったデザイナーの芦田淳さんは、日本のプレタポルテを草創期からリードし続けてきた。現役デザイナーとしての活動は世界でもまれな約60年間にもわたり、着やすく上品な正統派スタイルを作り上げた。

 開業医の家に生まれ、高校卒業後に画家中原淳一さんに師事。1953年にアパレルのデザイナーになり、63年に独立して「ジュン・アシダ」を設立した。

芦田さんがデザインしたワンピースを着た美智子さま=1968年

 自らのブランドのデザインと経営を担う一方で、66年から10年間、皇太子妃時代の美智子さまの専任デザイナーを務めた。肩をきちんとかたどりながらも体の線を誇張しないスーツや、チェック柄でもくだけすぎない爽やかな印象のワンピースなどが、美しさや気品を引き立てた。美智子さまも熱心に意見を述べられ、デザインや仕立てはミリ単位で調整していたという。

芦田さんがデザインした全日空の制服=1990年、ジュン・アシダ提供

 全日空の客室乗務員の制服を70年から3度手掛けたほか、アトランタ五輪では日本選手団の公式ユニホームを担当。赤、白、グレーを組み合わせた配色や、デザイン性の高さが話題になった。

2013年秋冬コレクション=大原広和氏撮影

 77年から79年までパリ・コレクション、近年まで東京コレクションに参加。一貫していたのは、素材や仕立ての上質さと、確固たる美意識で生み出す優雅さだった。ブランド創立50年を経た2014年に開いた作品展のタイトルは「エレガンス不滅論。」。並んだ服には、時代の変化に反応して新しい試みをしながら、揺るぎない思いを貫いた芦田さんの神髄が詰まっていた。

 (編集委員・高橋牧子)


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