朝日新聞ファッションニュース

香るフェミニン、柔らかに凜と 19年春夏ミラノ・コレクション

  • 2018年10月31日

 リボンやフリル、そして淡いパステルカラー。9月にあった2019年春夏のミラノ・コレクションは、フェミニンなデザインが印象に残った。数年前に始まった、性差を問わない「ジェンダーレス」な服の流れが広がりつつある中で、しなやかな感性や強さに改めてフォーカスした表現だ。

パステル色/ベルト使い/あふれるリボン

アニオナ(左)、ジル・サンダー(右)

 緩やかなドレープ、全体的にゆったりしつつ、袖部分はシェイプされたシルエット。アニオナの服をまとったモデルたちからは、可愛らしさの一方で凜(りん)とした雰囲気が漂う。デザイナーのサイモン・ホロウェイは「男性上位の舞台における女性のパイオニア、(現代芸術家の)ジョーン・ジョナスの作品から影響を受けた」とコメントした。

 アニオナと同じくミニマリズム×ラグジュアリーの王道、ジル・サンダーは淡い色づかいで一見シンプルだが、袖の大胆な折り返しや日本の下駄(げた)からヒントを得たサンダルでアクセントをつけた。

ヌメロ・ヴェントゥーノ(左)、ジョルジオ・アルマーニ(右)

 ガウンのように肩の落ちたジャケットで、今後もビッグシルエットのトレンドが続くことを示したのはヌメロ・ヴェントゥーノ。数年前に流行した強めのものではなく、より淡い色になったパステルカラーには新鮮さがあった。中間色は、巨匠ジョルジオ・アルマーニも巧みに見せた。光沢素材と合わせ、優しさと輝きのバランスが良かった。

マックスマーラ(左)、ドルチェ&ガッバーナ(右)

 マックスマーラは、シンプルなデザインの中に華やかさと強さが共存していた。袖や靴など、様々なルックにフリルがあしらわれた。近年になって女性の視点で新たに書き直された神話や伝説、女神などがテーマだという。

 今季はブランドのルーツを掘り下げたドルチェ&ガッバーナも、フリルやレースを多用した。フレスコ画のようなモチーフなど、宗教からの影響も伝わった。

フェンディ(左)、エトロ(右)

 ジャケットをベルトで絞り、体のラインを強調したスタイルも目立った。フェンディはオリエンタルな雰囲気の鳥の柄にブランドの「FFロゴ」のバンドで華やかさを際立たせた。

 創立50周年を迎えたエトロで多数登場したのは「JUDOベルト」。ブランドを象徴するペイズリー柄に、リボンの結び目を作ったカラフルな胴着の帯を組み合わせた。禅がテーマで、デザイナーのヴェロニカ・エトロは「日本文化からも強い影響を受けた」と語った。

プラダ

 大小の様々なリボンは、他のブランドのショーでも数多く目に飛び込んできた。圧巻はミラノを代表するプラダ。シャツやボトムスにフェミニンな小さなリボンをあしらい、スタッズ(鋲〈びょう〉)の付いた服やカチューシャと合わせた。デザイナーのミウッチャ・プラダは今シーズンのテーマを「自由と保守主義の間の対話」にしたという。

 今回はグッチがパリでショーを開催し、ボッテガ・ヴェネタもデザイナーの交代時期のためショーを休んだが、リアルクローズの新たな提案を目にしたミラノ・コレクションだった。

 (後藤洋平)

 <写真は大原広和氏とRunway―Photographie>


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