アジア映画の“ベスト・オブ・ベスト”が集結 第19回東京フィルメックス

  • 2018年11月1日

 アジア映画の最前線の作品を紹介する「第19回東京フィルメックス」が11月17~25日に東京・有楽町で開催されます。1年の締めくくりの時期に開かれるこの映画祭は、その年の「ベスト・オブ・ベスト」をまとめて楽しむ好機。今年の見どころをご紹介します。

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 俊英監督が競うコンペティション部門、アジアの名匠の作品が並ぶ特別招待部門、映画史の傑作に新たな光をあてる特集など、小規模ながらも多彩なアングルでアジア映画の過去・現在・未来を伝えるのがフィルメックスの魅力。上映と並行して開かれる若手映画作家や製作者のためのワークショップ「タレンツ・トーキョー」からは、多くの才能が巣立っています。

広瀬奈々子監督のコンペティション作品「夜明け」。小林薫と柳楽優弥主演の人間ドラマ

 メイン企画のコンペ部門には10作品が参加します。日本からは是枝裕和作品の助監督出身の広瀬奈々子監督のデビュー作「夜明け」が選ばれたほか、シンガポール在住の日本人撮影監督がシンガポールの若手監督と組んだ「幻土(げんど)」も上映。カンヌ国際映画祭女優賞を獲得したカザフスタン・ロシア合作の「アイカ(原題)」(セルゲイ・ドヴォルツェヴォイ監督)、ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門作品賞を受賞したタイ映画「マンタレイ」(プッティポン・アルンペン監督)、ロカルノ国際映画祭最高賞のシンガポール映画「幻の土地」(プッティポン・アルンペン監督)など、海外で高く評価された作品も多く例年以上にパワフルなラインナップとなりました。

 

 「コンペの水準は、その年最初に選んだ作品で決まります」と第1回から作品選定を担当する市山尚三ディレクター。今年の場合は、カンヌで見たビー・ガン監督の3D映画「ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)」が最初の1本。これに匹敵する作品を探すうちに、おのずと高水準の作品が集まったと振り返ります。

ビー・ガン監督のコンペ作品「ロングデイズ・ジャーニー、イントゥ・ナイト(仮題)」。1時間ワンテイクの超長回しを含む異色の3D映画

 「こちらが招待をした後にロカルノやヴェネチア、トロントで受賞した作品もありましたが、あえてコンペで競ってもらうことにしました。世界の映画祭ではプレミア上映を重視する傾向が強まっていますが、”発見”にこだわってレベルを落とすより、最良の作品を紹介したい。日本の観客にとってもその方がいいと考え、今年はいつも以上に振り切って”ベスト・オブ・ベスト”を選びました」

 謎めいた人物との出会いから始まるフィルムノワール風の作品が多いのは「まったくの偶然」とか。緊迫感ある演出を見比べるのも映画祭ならではの楽しみかもしれません。審査委員長は「ジョイ・ラック・クラブ」「スモーク」「女が眠る時」のウェイン・ワン監督。「殺人者マルリナ」で昨年の作品賞を受賞したインドネシアの女性監督モーリー・スルヤ、アートディレクターのエドツワキらが審査員を務めます。

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ラインナップ発表会見に出席した市山ディレクター(左)と特別招待作品「僕はイエス様が嫌い」の奥山大史監督

 特別招待部門は例年より多い16作品。韓国のホン・サンス監督はオープニング作品の「川沿いのホテル」と「草の葉」の新作2本を上映。他にも、イスラエルのアモス・ギタイ、台湾のツァイ・ミンリャン、カンボジア出身のリティ・パン、フィリピンのブリランテ・メンドーサ、香港のスタンリー・クワン、中国のジャ・ジャンクーら、アジアを代表する映画作家の最新作が集まりました。中国「第5世代」の旗手ティエン・チュアンチュアン監督の1986年の傑作「盗馬賊」もデジタル修復版で久々にスクリーンに登場します。

ホン・サンス監督のオープニング作品「川沿いのホテル」

 日本からは「泣き虫しょったんの奇跡」の豊田利晃監督や「ナビィの恋」の中江裕司監督が新境地を見せるドキュメンタリー作品や、東日本大震災を主題にした作品が続く篠崎誠監督の「共想」、サンセバスチャン国際映画祭新人監督賞を受賞した奥山大史監督のデビュー作「僕はイエス様が嫌い」など6作品を上映します。

篠崎誠監督の特別招待作品「共想」

 レトロスペクティブ部門では、西島秀俊主演の「CUT」で知られるアミール・ナデリ監督を特集。アッバス・キアロスタミ、モフセン・マフマルバフとともにイラン映画の国際的評価を高めた名匠の初期の代表作や米国で撮った最新作などを上映します。

アミール・ナデリ監督の「期待」

 メイン会場は有楽町朝日ホール。開幕作品とレイトショーは近接のTOHOシネマズ日比谷、特別招待の日本映画の一部は有楽町スバル座で上映します。スバル座では、小さな子どもでも楽しめる海外のアートアニメーションや話題の日本映画を聴覚障害者向けの日本語字幕付きで上映する「映画の時間プラス」も開催。期間中、ゲストによるトークやセミナーなども予定しています。前売り券は11月3日から発売。詳細は東京フィルメックスの公式サイトまで。

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