スリランカ 光の島へ

<9>アーユルヴェーダで知る自分の心

  • 文・写真 石野明子
  • 2018年11月2日

アーユルヴェーダの起源は5000年前の北インド。どうしたら人は心も体も健やかに長く生きられるのか、その知恵がぎゅっと詰まったものがアーユルヴェーダである。なのでよく見聞きするシーロダーラ(額に温めたオイルを垂らすトリートメント)のようなトリートメントだけを指すのではない。時代とともに人々のライフスタイルによりそって進化し続けている哲学なのである。

スリランカにはもともと独自の伝統医療があった。そこにインドから仏教とともにアーユルヴェーダも伝わってきた。スリランカは小さな島国ながら恵まれた土壌と気候で薬草など植物が豊富に存在する。アーユルヴェーダは大地の力を借りながら治療を行うため、スリランカのアーユルヴェーダはこの土地の持つ恵みを薬としながらインドとは別の発展を遂げた。

  

私も10年前に初めてスリランカを訪れたときに、絶対シーロダーラをやるんだ!と意気込んでいた。念願のシーロダーラを受け、張り切って箱型のハーブのサウナに入った。「どんな変化があるんだろう」。ワクワク。からのち、「こんなもんか。バリマッサージや整体の方が疲れが取れるじゃん」だった。完全にアーユルヴェーダを勘違いしていた。そもそもアーユルヴェーダは治療において大事な順番がある。まずはドクターの診察で自分の体質と状況を知る、そして治療に向けて毒素を排出して体を準備する。準備しないまま治療を受けても、何も効果はないか、悪くすれば体調を崩してしまうことも。その時はドクターの診察さえなかった。今思えばアーユルヴェーダを知らない観光客相手の適当な店だったのだと思う。

ちゃんとしたドクターの診察によると私の体質はピッタ(Pitta)がメインでヴァータ(Vata)が少し。なんの話かというと、アーユルヴェーダでは誰もが体内に3つ(もう1つはカッパ/Kapha)の生命エネルギーを持っていると考えている。生まれながらにしてそのバランスは決まっていて死ぬまで変わらない。そのバランスが崩れたときに、体調が優れなかったり病気になったりする。そのバランスを元に戻すのがアーユルヴェーダの治療だ。ピッタの特徴は適度な体力、動きは素早い、食欲旺盛、燃える野望の持ち主、カッとなる、だそうだ。私を知る皆さん、合ってますか?

  

ドクターの資質によって治療の効果が決まる。あるドクターは脈診だけで「ヘルニア手術しているね。左側の何番だね?」と場所まで当てた。驚愕。診察だけどまるで占いみたい。いろんなドクターがいるけれど大事なのはちゃんと話をしてくれる人、聞いてくれる人、熱心な人。

本格的なアーユルヴェーダ治療は時間がかかる。でもドクターの診察を受けて、スリランカのハーブやオイルを使ったリラクゼーションのトリートメントを受けるだけでも絶対に変化はある。そう言いきれるのは自分を知るきっかけになるから。無理することに慣れていないか、休むことを制限していないか、体がきっと教えてくれる。心は上手に嘘をつくからドクターに見破ってもらうべし。「ニホンジン、どーなってるの! めちゃくちゃよ!」とは、いつも丁寧に診てくれるドクターチャトゥリの言葉……。

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PROFILE

石野明子(いしの・あきこ)

いしのあきこ

2003年、大学卒業後、新聞社の契約フォトグラファーを経て06年からフリーに。13年~文化服装学院にて非常勤講師。17年2月、スリランカ、コロンボに移住して、写真館STUDIO FORTをオープン。大好きなスリランカの発展に貢献したいと、その魅力を伝える活動を続けている。
Instagram @studiofortlk
http://studio-fort.com/
http://akikoishino.com/

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いしのあきこ

2003年、大学卒業後、新聞社の契約フォトグラファーを経て06年からフリーに。13年~文化服装学院にて非常勤講師。17年2月、スリランカ、コロンボに移住して、写真館STUDIO FORTをオープン。大好きなスリランカの発展に貢献したいと、その魅力を伝える活動を続けている。
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