このパンがすごい!

パンだけじゃない!! 小麦に懸けるお店が集う「麦フェス2018」が11月25日開催

  • 文・写真 池田浩明
  • 2018年11月8日

福岡から東京初見参! パンストック、1日1000本売れるあつあつ「明太フランス」(イメージ。実際に麦フェスで提供される商品と異なります)

 つけ麺、ピッツァ、パン……、日本を代表する小麦の猛者が一堂に会し、とっておきの特別メニューを提供する小麦料理の祭典「麦フェス2018」が11月25日(日)に開かれる。提供メニューにはとれたて挽(ひ)きたての新麦を使用。

会場となる THE A.I.R BUILDING(エアー ビルディング)

 ラーメン界代表『らぁ麺屋 飯田商店』の飯田将太。ピッツァ界代表『ピッツェリア・ジターリア・ダ・フィリッポ』岩澤正和。ただおいしいものを提供しているというだけではない。2人とも小麦という素材に惹(ひ)かれ、人生を懸けている。

 『らぁ麺屋 飯田商店』。湯河原の店舗には朝7時から飯田詣での行列ができ、ラーメンイベントでも2時間に及ぶ行列ができる。

 麦の香りも高きつけ麺こそ飯田商店の自家製麺の魅力を存分に味わえる。なめらかに口へ入ってくる麺。すするとともに麦の香りは舞い上がり、ぷにっと噛(か)めば小麦の甘さがとろける。麺を浸したコンブ水と、しょうゆベースの鶏清湯のつけだれが口の中で出会うことで生まれるアミノ酸のケミストリー。それが麺の甘さと合わさるとき、身も心もとろけさせるようなおそるべき快感が駆け抜ける。

 飯田将太さんが、自家製麺をはじめるきっかけになったのは、「ラーメンの鬼」こと、故・佐野実さんが営む「支那そばや」のラーメン。

「ラーメンはスープ料理だと思っていたのに、麺がおいしいという驚き。その一杯でいままで突き動かされてしまっています」

 同じ感動を作りだすため、何度も何度も通って、その味わいを体に染み込ませた。

 当時、佐野さんが使用していたのが、「幻の小麦」といわれるハルユタカ。それが実際に栽培されている現場を見に、「ハルユタカを救った男」といわれる北海道江別市の生産者・片岡弘正さんの畑を飯田さんは訪ねた。時は初夏。まだ固まりきらない青い麦の粒を口に入れたとき、ミルクのような白い液体が飛びだしてきた。

「あのミルキーな感じ、エネルギー感がたまんない。答えは小麦畑にあるのに、なにをやってたんだろう。小麦をこの状態に戻してやればいいんだ」

 片岡さんは、今年惜しくも逝去。飯田さんは、北海道に飛んで、片岡さんの家でラーメンを作り、霊前に供えた。素材を作る人の思いを誰より大事にし、ラーメンに昇華しようとするから、飯田商店の一杯に感動が宿る。

 「麦フェス2018」では「新麦つけ麺」(小麦ちがいで2種の麺を特製スープとともに)を出す。2種のうち1種として選んだのは、北海道十勝の自然栽培農家・中川さんの小麦「ノア」(きたほなみなどの北海道品種、スペルト(古代小麦)を混植)。青い草の香りがする中川さんの小麦が、比類なきダシ感と出会うとき、どんなケミストリーが生まれるのか。いまからわくわくする。

 小麦に懸ける男がもう一人。ピッツェリア・ジターリア・ダ・フィリッポの岩澤正和さん。彼のマルゲリータは、耳こそがごちそうである。香ばしさ、スパイシーさ、甘さ、もっちりさ。トマトの甘さ、チーズの甘さに出会い、ジューシーな広がりにうっとりしたあと、また小麦にしみじみする。

桑原暁雄さんが焼く超絶マルゲリータ(イメージ。実際に麦フェスで提供される商品と異なります)

 フィリッポのピッツァの特徴は、なんといっても喉越し。舌にふにゃりと触れてはちゅるーと溶けて、まるで飲み物のごとくするりするり喉を通っていく悦楽。

 イタリア修行時代、岩澤さんは、現地のピッツァをずっと食べていると、おいしいけれど、胃もたれすることに気づいた。ヨーロッパ人と日本人の、体質のちがい。数千年にわたって食べてきた地元で育つ食材のほうが、体にもやさしいのではないか。だから、彼は自らのピッツァを輸入小麦ではなく、国産小麦で作る。

 岩澤さんの夢は国産小麦で世界を制すること。いまでもナポリの世界大会に挑戦しつづける。かつて国産小麦のピッツァを作り、1位となる得点をたたきだしたが、持ちこんだ粉がEUで定められたSTG規格をクリアしておらず、失格。悔しい思いをした。その後、江別製粉の協力を得て、規格をクリアした北海道産の小麦粉を今年ついにリリース。世界への夢を追いつづけている。

 「麦フェス2018」では、新麦のおいしさを表現するため、シンプルに「マルゲリータ」で勝負する。窯を担当するのは、岩澤さんの信頼厚き炎の使い手、桑原暁雄さん。キッチンカーに窯を積み、都内各所で野外と思えない本物のピッツァを提供している。桜の薪を使った窯は470℃に達する。生地を火に近づけて炙(あぶ)るように焼き、麦のおいしさを極限まで引き出す。

365日・杉窪シェフによる「パン寿司」(イメージ。実際に麦フェスで提供される商品と異なります)

BEAVER BREADが「ニボパスタパン」をライブ提供!(イメージ。実際に麦フェスで提供される商品と異なります)

 麦フェスでは、パンに関しても、365日・杉窪章匡シェフ、カタネベーカリー・片根大輔シェフ、パンストック・平山哲生シェフ、BEAVER BREAD・割田健一シェフ、SHŌPAIN ARTISAN BAKEHOUSE・平山翔シェフと日本を代表する凄腕(すごうで)が登場。日本全国の名ベーカリーから届く新麦福袋もおみやげにつく。ぜひ小麦の味わいの極みを、この機会にご賞味いただきたい。

11月25日、麦料理の最高峰、「麦フェス2018」開催!

新麦コレクションpresents
麦フェス 2018

【日時】2018年11月25日 (日)11:30~21:00(5回制)
【会場】THE A.I.R BUILDING(エアー ビルディング)
    東京都中央区日本橋本町3−2−8
【参加費】\5,000+チケット手数料\300
【主催】NPO法人新麦コレクション
【申込・詳細】http://ptix.at/BwuJJ3

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PROFILE

池田浩明(いけだ・ひろあき)ライター

池田浩明

佐賀県出身。ライター、パンの研究所「パンラボ」主宰
日本中のパンを食べまくり、パンについて書きまくるブレッドギーク(パンおたく)。編著書に『パン欲』(世界文化社)、『サッカロマイセスセレビシエ』『パンの雑誌』『食パンをもっとおいしくする99の魔法』(ガイドワークス)、『人生で一度は食べたいサンドイッチ』(PHP研究所)など。国産小麦のおいしさを伝える「新麦コレクション」でも活動中。最新刊は『パンラボ&comics 漫画で巡るパンとテロワールな世界』(ガイドワークス)

BOOK

『日本全国 このパンがすごい!』(発行・朝日新聞出版) 池田浩明 著

写真

連載をまとめた「日本全国このパンがすごい!」(朝日新聞出版)が待望の書籍化!北海道から沖縄まで全国の「すごいパン屋!」を紹介。ディレクターズカットを断行、エッセンスを凝縮し、パンへの思いもより熱々で味わっていただけます。
税込1,296円

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