朝日新聞ファッションニュース

米国流を体現、変化し続けた200年 ブルックスブラザーズ展

  • 2018年11月16日

創業200周年を迎えた米ブルックスブラザーズの歴史を振り返る展覧会が、東京都渋谷区の文化学園服飾博物館で開かれている。著名人が着た服や創業当時の台帳など約150点が並び、米国流を体現するブランドが時代のニーズに合わせて新しいものを生み出してきたことがわかる。

オックスフォード地のボタンダウンシャツなど

米国が独立を宣言してから42年後の1818年、ヘンリー・サンズ・ブルックスが米ニューヨークで紳士洋品店を開いたのがブランドの始まりだ。19世紀半ばから先駆的に既製服を提供し、新しいアイテムを作ってきた。

会場には肩パッドが入っておらず、ストレートラインですとんとしたシルエットの「サックスーツ」や、シャツの襟が取り外し式だった時代に、襟とシャツを一体にしてボタンで固定したボタンダウンシャツが並ぶ。ファッションディレクターの森岡弘は「米国は機能性重視。直線的な裁ちのサックスーツは、色々な体形の人が集まる移民の国で、大量生産の必然として生まれた」と話す。重く硬い生地を使い、肩パッドを入れて力強さを強調する英国、軽く柔らかい生地が体に程よくフィットするイタリアに対して、米国流を代表するブランドとなった。

ボタンダウンシャツやサックスーツ、ストライプ柄のタイなどを基本のアイテムとして、米国の学生の間で流行したアイビールックは、1960年代には日本でも人気になった。服飾評論家のくろすとしゆき(84)がブランドの名前を知ったのは50年代、大学生の時だった。雑誌にアイビールックが紹介され、「ブルックス・ブラザーズ・モデルともいう」と書かれていたという。米国への憧れが強い時代に、その象徴となるブランドだった。

くろすは61年にヴァンヂャケット(VAN)に入社し、若者にアイビールックを提案した。ブランドについて「変わらないようでいながら、変わっている。まさに、しなやか。単なるファッションではなく、生き方としても参考にしている」と話す。

リンカーン大統領のフロックコートのレプリカ

森岡も、現代の若者が色々なものをミックスしてファッションを楽しむ中、ブルックスブラザーズのアイテムを取り入れていることに「今も愛される懐の深さや面白みを感じる」と言う。

ブランドの服は、米国大統領のべ45人のうち40人が袖を通したとされ、展覧会ではリンカーン大統領のフロックコートのレプリカも展示されている。明治の外交官、小村寿太郎が実際に着ていたフロックコートとベストもある。

クラウディオ・デル・ベッキオ氏

現在の会長兼最高経営責任者(CEO)のクラウディオ・デル・ベッキオは「世の中のニーズに合わせ、我々は変わり続けている。テクノロジーを取り入れて、これからも新しいものを生み出していく」と話した。

「ブルックスブラザーズ展」は30日まで。一般500円、大学・専門学校・高校生300円、小中学生200円。日曜・祝日は休館。(神宮桃子)


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