料理家・冷水希三子の何食べたい?

寒い朝に食べたい、カブのポタージュスープ

  • 料理 冷水希三子 写真 関めぐみ 文 小林百合子
  • 2018年11月29日

  

料理家・冷水希三子(ひやみず・きみこ)さんが読者と私たち編集部のリクエストに応えて料理を作ってくれるという夢の連載。10回目のリクエストは冷え込む冬の朝に作ってもらいたい、あったか優しいポタージュスープです。

    ◇

――冷水先生、こんにちは。今年ももうあと少しですね~、早かった!

冷水 年末のムードが漂ってくるとなんだか気がせいてしまいますね。毎年のことですがソワソワしてしまいます。

――寒さもいっそう厳しくなってきて、朝起きるのが本当に辛いです……。読者の方からも「とにかく朝が暗いし、寒いし、眠いし(これは一年中だけど)で本当に憂鬱(ゆううつ)です!」というお便りをただいています。

冷水 わかります……。できることならずっとお布団にもぐっていたいですね。

――そうそう、今月のお便りには「こんな寒い冬の朝、もし我が家に冷水先生が来てくれるなら、あったか~いスープを作って起こしてほしい」なんていうご意見がありました。これは全人類の夢です(笑)!

旬を迎えたピカピカのカブ。茎や葉も余すことなくいただきましょう。

冷水 私も誰かに作ってもらいたいです~。朝起きて、アツアツのスープとパンが出てきたら、そんなに幸せなことはありませんからねえ。

――ご自宅には行ってあげられませんが、ぜひ今回はそんな冬の朝が楽しみになるスープをお願いできませんか?

冷水 もちろんです! 冬の朝に食べたいスープというと……、やっぱりポタージュですかね。それも優しい風味で、しみじみと染み入るような。

――それ、それです!

冷水 それでは、冬が旬のカブを使った、とろ~り甘いポタージュを作りましょう。材料が少なくて、調理もとても簡単なので、私がいなくても、みなさん自力で作れるはず!(笑)。

――なんと、材料はカブと牛乳、お出汁(だし)だけ、ですか!?

蒸し煮にしたカブはバーミックスでポタージュに。真っ白で奇麗な色にうっとり。

冷水 究極にシンプルでしょう? でもその方がカブの風味や甘みをしっかり感じられて、しみじみ「おいしいな~」と思っていただけるはずです。お出汁の風味が生きてきますので、ぜひしっかりと出汁をとって作ってみてください。

――今回はかつお節と昆布の和風出汁を使うんですね!

冷水 洋風のお出汁でもおいしくできますが、なんとなく朝は和風の方がほっとできるかなと思って。それにいつもおみそ汁に使うお出汁ですから、みなさんもなじみがあって作りやすいかなと。

――確かにそうですね! 和風出汁の材料は常にストックしてあるので助かります。

茎と葉はオリーブオイルで蒸し煮に。ポタージュのトッピングにすると味と色彩のアクセントになります。

冷水 とろ~り濃厚なポタージュを作るポイントは、カブを軟らかく煮るときのお水の量です。あまりたくさんのお水で煮てしまうとせっかくのカブの味がぼやけてしまうので。

――えっ!? カブ4個に対してお水が大さじ2杯ですか?

冷水 お鍋の素材や大きさによって多少の調整は必要ですが、鋳物の鍋を使うならこのくらいで十分。カブからも水分が出てくるので問題ありませんよ。「煮る」というとたっぷりの水が必要なように思ってしまいますが、ポタージュの場合は「蒸し煮にする」という感覚ですね。

――じっくり弱火で火を入れていくんですね。

冷水 とくに鋳物の鍋は最初は熱が伝わりづらいので、鍋全体が温まるまでは強火で。水が沸いてプクプクとしてきたら弱火にして、カブが軟らかくなるまでゆっくりと火を入れてください。

――あれ、茎は別のお鍋で調理するんですか?

冷水 これはスープではなくて、トッピング用です。せっかくだから茎も無駄にせず、おいしくいただきましょう。少し多めのオリーブオイルでオイル煮にしていきます。弱火にかけておくだけでできますから、簡単ですよ。

――さすがです!

和風出汁が香る、優しい風味のポタージュはごはんにもパンにもよく合います。

冷水 さて、カブが煮えたらお出汁を加えてミキサーにかけましょう。バーミックスがあるととっても便利ですよ。全体が滑らかになったら鍋に移して、あとは牛乳を加えて温めるだけです。味を見て、最後にお塩で味を調整してください。

――真っ白で奇麗なスープですね~! 気持ちよく朝を迎えられそうです。

冷水 真っ白なスープの上に、茎のオイル煮の緑が入るとすごく映えるでしょう? 味的にもアクセントになるんですよ。

――う~ん、なんとも言えないとろみがあって、とっても優しい口当たりです。和風出汁がじんわりと体に染みて、冷え切った体を温めてくれます(涙)。

冷水 パンと一緒に食べてもいいですし、和風出汁を使っているのでごはんにも合うんですよ。

――こんなスープがあったら冬の朝でも起きるのが楽しくなりますね。ありがとうございました!

今日のレシピ

カブのポタージュスープ

◎材料

・カブ 4個
・出汁(カツオと昆布) 200ml
・牛乳 150ml
・塩 適量
・カブの葉と茎 4個分
・EXVオリーブオイル 大さじ3ほど

◎作り方

 カブは皮をむいて2cm大に切り、厚手の鍋に入れて塩少々と水大さじ2(分量外)を加えて中火にかける。沸いたら弱火にして蓋(ふた)をし、カブが軟らかくなるまで20分ほど蒸し煮にする。

 に出汁を加えて5分ほど煮たらミキサーにかけ、滑らかになったら鍋に移す。鍋に牛乳を加えて温め、塩で味を調える。

 その間に3㎝ほどの長さに切ったカブの葉と茎を別鍋に入れ、塩少々、EXVオリーブオイルと水少々を加える。蓋をして弱火にかけ、時々かき混ぜながら15分ほどオイルで煮る。

 器にのポタージュを入れ、のカブの葉と茎のオイル煮を添える。


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PROFILE

冷水希三子(ひやみず・きみこ)

写真

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

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冷水希三子(ひやみず・きみこ)料理家

冷水希三子

料理家・フードコーディネーター。レストランやカフェ勤務を経て独立。季節の食材を使ったやさしい味の料理が評判を呼び、雑誌や広告などで活躍中。器選びや盛り付けに至るまで、その料理の美しさでも注目を集めている。著書に『ONE PLATE OF SEASONS-四季の皿』(アノニマ・スタジオ)、『スープとパン』『さっと煮サラダ』(ともにグラフィック社)など。

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