リノベーション・スタイル

<180>リフォーム済みの物件。ちょっとのリノベでもっと心地よい空間に

  • 石井健
  • 2018年12月5日

[T邸]
Tさん(50代)
東京都渋谷区/67.48㎡

    ◇

 今回はリフォーム済み物件をご購入して、私たちブルースタジオでリノベーションをした例です。リフォーム済みの物件なので、間取りなどはほぼそのまま。水回りには一切手を加えていません。壁の位置や素材を変えたり、キッチンに立ったときに視界が外につながるよう、窓の見える高さをそろえる調整をしたりして、Tさんが心地よく感じる、ラグジュアリーな空間を造りました。

 まず、三つ並んでいた寝室を一つに。寝室には広めのウォークインクローゼットを造りました。さらに、12.5畳だったリビングは、寝室を一つにしたことで20.2畳のLDKに。部屋に飾りたいと思っていた大きな絵が映える空間になりました。

 また、壁はすべて薄いグレーとブルーに。キッチンはモールテックス(MORTEX)という素材を使って塗っています。これ、実はいまかなりはやっている素材なんですよ。ベルギーの会社が開発した薄塗りの左官材料なのですが、モルタルなのに弾性があり、さらに強靱(きょうじん)。表面が削れたりはがれたりすることがないので、このようにキッチンの扉にまで使えるんです。ちょっと値段が高い素材ですが、仕上がりもシックですてきです。

 寝室はガラスのドアにしました。少し目隠しをしたいということだったので、足下が少し隠れるようにグラフィックのモチーフを貼っています。足下が見えなくなると、空間が違うと認識できるものなのです。

寝室から玄関方面を見る。廊下にもアートが飾られている

 リフォーム済み物件ですので、もちろんそのまま住んでもまったく問題ありませんでしたが、自分好みの素材に変更したり、壁の位置を調整するだけでも、心地よさは格段にアップします。

 賢く既存のものを生かしつつ、「ここは変えたい!」「ここはまあ、いいかな……」と妥協できるところのメリハリをつけることがポイントです。その意味でTさんのリノベーションは、肩の力を抜いた、こなれた大人のリノベーションと言えるでしょう。

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PROFILE

石井健(いしい・たけし)「ブルースタジオ」執行役員

写真

1969年、福岡県生まれ。「ブルースタジオ」執行役員。日本のリノベーション・シーンの創世期から600件以上を手がけてきた。「カンブリア宮殿」(テレビ東京系)でも「古い物件の家賃を倍にする不動産集団!」として紹介される。「郷さくら美術館」(東京・中目黒)で2012年度グッドデザイン賞受賞。また「賃貸アパート改修さくらアパートメント」(東京・経堂)で2014年度グッドデザイン賞受賞。 著書に『リノベーション物件に住もう』(共同編集/ブルースタジオ)、『MUJI 家について話そう』(部分監修)、『リノベーションでかなえる、自分らしい暮らしとインテリア LIFE in TOKYO』(監修)。

ブルースタジオへのリノベーションのご相談は、隔月開催のセミナーや、個別相談で承っています。

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