東京ではたらく

ファイナンシャルプランナー:武田明日香さん(35歳)

  • 文 小林百合子 写真 野川かさね
  • 2019年1月10日

  

職業:ファイナンシャルプランナー
勤務地:千代田区
仕事歴:6年目
勤務時間:10時~19時
休日:土日

この仕事の面白いところ:さまざまな価値観の人と出会え、自分を成長させてくれるところ

この仕事の大変なところ:すべての方の相談に100%応えられたか、それを常に自問しなくてはいけないところ

    ◇

東京の丸の内にある「FP woman」という会社でファイナンシャルプランナーとして働いています。
仕事の内容は、個人のお客様からのお金の相談をお受けすることはもちろん、会社の事業として行っている「お金の教育」にまつわるセミナーや講演会の企画・運営、マネー関連の書籍や雑誌記事の執筆なども手がけています。

実は、ファイナンシャルプランナーというのは、国家検定であるFP技能士資格か、日本FP協会が認定するAFP(アフィリエイテッド ファイナンシャル プランナー)か、CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)の資格を取得すれば名乗ることができます。

では、資格を生かしてどんな仕事ができるかというと、ここが日本ではまだまだ大変なところでして……。

ファイナンシャルプランナーというのは、個人や法人のお客様から相談料をいただいてお金のお悩みを解決するというのがメインの仕事なのですが、日本では「お金を払ってお金の相談をする」という文化がそこまで根付いていないんですね。

日本では「お金の話をむやみにするのははしたない」という考え方が古くからあると感じるのですが、それを身内でもない他人に、さらにお金まで払って話すということには、まだまだ抵抗を感じる人が多いように思います。

個人コンサルティングを行う個室。スタイリッシュな空間で、女性ひとりで相談に足を運ぶ人も多い

そんな風潮もあってか、個人コンサルティングだけでファイナンシャルプランナーとして食べて行くのはなかなか難しいのかな……というのが現状だと思います。

私がFP技能士2級の資格を取得したのは26歳のときです。当時は東京の印刷会社に勤務していて、将来ファイナンシャルプランナーとして働きたいという希望は全く持っていませんでした。

ただ、学生の頃から漠然とお金のことに関心があって、保険制度や社会制度について学びたいという気持ちから通信教育で勉強を始めました。学生でお金に興味を持つというのも考えてみれば不思議なことかもしれませんね(笑)。

私は大学4年生の時に1年間海外留学を経験したのですが、出発前に現地で必要なお金をためるためにアルバイトをしていたんです。学生ながら、どんな仕事だといくらくらいお給料がもらえて、どうやってためてそれをどんな風に使うかを真剣に考えていたように思います。もしかしたらそんな経験がお金への関心につながったのかもしれません。

柔らかい雰囲気で明るく話す武田さん。「お金のことは話しづらいという方もいるかもしれませんから、できるだけリラックスしてお話しできる雰囲気を作れたら」

自己啓発の一環として取得したファイナンシャルプランナーの資格が今の仕事につながったのは29歳のときでした。

大学時代、競技チアリーディングに打ち込んでいたこともあって、「働くなら、チームで力を合わせて何か既存のものではない、新しいものを作りあげる仕事がしたい」と思っていました。名古屋の大学を卒業後、新卒で東京の印刷会社に就職したのは、そんな仕事ができる部署があったから。でも残念ながら第一希望の事業部には配属されず……。

それでも、お客様のニーズに合わせて色々なご提案ができる営業の仕事は面白くて、最初の3~4年間はやりがいを持って取り組んでいました。仕事に対して少し物足りなさを感じ始めたのは6年目くらいの頃でした。新規で受注した案件の中に、これまで会社で取り組んだことのないチャレンジングな内容の仕事がありまして。

私自身は「これまでにない仕事ができる、新しいものが作れる!」とワクワクしていたのですが、内部からはネガティブな反応が多くて。前例のない案件ですから、生産性が悪かったり、リスクがあったりするのは当然ですから、仕方のないことだったのかもしれません。

老後に必要な生活費やマンション購入に必要な資金、そのリスクなど、お悩みに合わせてさまざまなデータを紹介しながら悩みを少しずつほぐしていく

その時、思ったんです。「私はこの先、自分がやりたいと思うこと、そして仲間やお客様がやりたいと思うことを全力で実現していける、応援していける仕事がしたい、そういう人になりたい」。30歳目前という節目のタイミングもあったと思いますが、そこから少しずつ転職というイメージが膨らんできました。

とはいえ、自分の漠然とした理想をかなえる仕事は何なのか。はっきりとした答えはすぐには見つかりませんでした。そんな時、以前からメルマガ登録していた今の会社から「ファイナンシャルプランナー募集」の情報が送られてきたんです。

実務経験必須の経験者採用で、未経験の私が応募できるものではなかったのですが、そこに書いてあった会社の理念を読んで、「何がなんでもここで働きたい!」と思ってしまって(笑)。

その理念とは「女性が色々な選択肢を持って不安を解消し、キラキラした人生を送れるサポートをしたい」というもの。女性だからといって諦めるのではなく、自ら選択して自由に歩んでいける人生。それは私自身も憧れていた生き方でした。興味ある分野で、目指すべき生き方を共有できる働き方がある。「これしかない!」という強い気持ちで、ダメ元で応募したのでした。

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PROFILE

小林百合子(こばやし・ゆりこ)編集者

写真

1980年兵庫県生まれ。出版社勤務を経て独立。山岳や自然、動物、旅などにまつわる雑誌、書籍の編集を多く手がける。女性クリエイター8人から成る山登りと本づくりユニット〈ホシガラス山岳会〉発起人。著書に『最高の山ごはん』(パイ・インターナショナル)、『いきもの人生相談室』(山と溪谷社)、野川かさねとの共著に『山と山小屋』(平凡社)など。

野川かさね(のがわ・かさね) 写真家

写真

1977年神奈川県生まれ。山や自然の写真を中心に作品を発表する。クリエイティブユニット〈kvina〉、自然・アウトドアをテーマにした出版・イベントユニット〈noyama〉の一員としても活動する。作品集に『Above Below』(Gottlund Verlag)『with THE MOUNTAIN』(wood/water records)、著書に『山と写真』(実業之日本社)など。
http://kasanenogawa.net/

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