“デビュー10周年”稲葉友の本音

 2009年に開催された『第22回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』において16歳でグランプリを獲得し、今年デビュー10周年を迎える稲葉友(26)。『仮面ライダードライブ』の詩島剛(仮面ライダーマッハ)役、『HiGH&LOW』シリーズなどに出演し、22日からは東京・浅草九劇で上演される主演舞台『エダニク』が控える。ORICON NEWSではそんな彼に動画インタビューを敢行し、様々な作品でキャリアを積みながらも「じっくり売れたい」とこれから先を展望する今の想いに迫った。

【動画】稲葉友主演舞台『エダニク』稽古場に密着

 取材が行われたのは、都内のけいこ場。約2年ぶりとなる舞台は2度目のタッグとなる紫綬褒章受賞の演出家・鄭義信氏が手がける。とある食肉加工センターの屠殺場を舞台とした3人の会話劇となっている。「(けいこに入って)2週間くらい。結構焦っています。内容も詰まっているし3人の会話劇という構成もあって、やることもたくさんあり、回転数が高まっている感じです」と笑いながらも真剣に取り組んでいる様子が伺えた。

 「屠殺場を舞台に、各々事情を抱えた人たちがいろんな問題でぶつかったり、てんやわんやしていくお話。雇用問題や屠場の歴史的背景、日常で自分の手に届く範囲が大切だというメッセージや、多面的にいろいろな要素が入った舞台です。僕が演じる沢村は既婚者で子どももいて、詰めが甘い役。なんのために一生懸命になるのか人それぞれですが、沢村は家族のために必死に生きている人」と紹介する。妻や子どもの登場はないものの初めての既婚者役となる。

 ワンシチュエーションの舞台では会話によって観客をその世界観に巻き込んでいくこととなる。「(せりふ量は)どぎついです。覚えるのが早くないのでひたすら苦労しています。せりふを覚えるためには道を歩きながらしゃべっちゃう。意外と生活音というかよほど混んでいなければ小さい声でブツブツ言っていれば聞こえないんです(笑)。ただ、うっかりエレベーターでも(せりふを)言っちゃって『あ、やべ』みたいになることはありますね(笑)」。

 そんな苦労もありつつ「2年前から楽しみにしていた。台本を読んで『やりたい』」と脚本に惚れ込んだそう。「どんどん起こる事件に巻き込まれたり、僕が事件を持ち込んだり、ポイントが明確なので観ている人も楽しいんじゃないかな。気づいたら巻き込まれている、そのパワーのあるお芝居です」と魅力を語る。

 舞台はダイレクトに観客の反応が感じられる場だからこそ「毎日、お芝居ができるのでありがたい。劇場でお客さんと会えるのは僕にとって特別だった。映像でしかなしえないものもありますが演劇でしか生まれないなにかがある。そういうのを魅せてくれる先輩方がいて、舞台って面白いなと思うようになりました」と実感する。

 「この仕事をしていなければ演劇を見に行ってなかったと思うんです。舞台って場所は確定しているし、お金も映画よりは高い。回数も少なく席数も限られるしスケジュールを合わせて狙ってお金払って劇場まで行くのは結構な作業。それをわざわざやって、来ていただける人たちがいるのもそうですし、だからこその感動もあるのかなと。手元で完結できる時代にこのアナログさはなくなっちゃいけない」。舞台の持つ、ある種の“不便性”を理解しているからこそ、そこに来てくれるお客さんへの想いも強くなるのだ。

■節目の年を迎えて起こった心境の変化「変わっていかないといけない」

 時代は令和を迎え、そんな節目の年に記念すべきデビュー10周年がやってくる。「ちょうど変わり目だったじゃないですか、令和になったり。元号が変わって、新世代が出てきたり…。ここ数年、最近は特に潮目が変わってきているなかで丸10年を迎えるので俺も変わらないといけないし、変わっていかないといけない。そのタイミングがここへ来て訪れているなという気がします」と彼のなかにも“焦り”ではない静かな心境の変化が生まれている。

 今後の10年を見据えて、展望を聞くと「最近思うのがじっくり…売れたい」と冗談めかすようで真剣な眼差しを向ける。“売れる”の定義は難しい。ただ、「『爆発的に売れる』は狙ってできることではないので、じんわり、ちゃんと求められてちゃんと応えてちゃんと続けて…っていうことができるようになりつつ、今は海外志向も増えているので、そういうところも挑戦できるようになりたい」と着実なステップアップを目標とする。
 
 振り返ってみれば「自分でも10年たったことにびっくりします」という程あっという間だったそうだが、変わったことといえば「眉毛が濃くなった(笑)」とお茶目に語る場面も。そして「大人としゃべれるようになった。良くも悪くも大人になったし関わる人も10年前と比べ物にならないほど増えた。同世代のつながりもそうだし、普通に働いていたら仕事先でしか関わらないだろうだいぶ上の人たちにも友達がいる不思議な世界。周りに人が増えたという感じがあります」。

 そんな世界の広がりを持てたのもこれまでの10年間、周囲と密に関わりながら役者としてまい進してきた証であるとも言える。「一つずつ応えた先になにがあるかな」と胸をふくらませる彼がこの先の10年、20年後どんな輝きを放つ役者となっていくのか楽しみだ。

【公演概要】
『エダニク』
作:横山拓也(iaku)演出:鄭義信
公演期間:2019年6月22日(土)~2019年7月15日(月・祝)
会場:浅草九劇(https://asakusa-kokono.com/)

【お問い合わせ】
浅草九劇:http://www.asakusa-kokono.com
TEL:03-5759-8009(受付時間/平日10:00~19:00)
MAIL:info_kyugeki@lespros.co.jp
※件名に『エダニクに関して』とご記載下さい

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