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手の届く「個性」 コンテンポラリーブランド

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  • 2014年6月2日
  • 写真:西武渋谷店の「コンポラックス」。公園をイメージした売り場が特色

    西武渋谷店の「コンポラックス」。公園をイメージした売り場が特色

  • 写真:松屋銀座のフロア。アリスアンドオリビア(手前左)やミリー(同右)が人気

    松屋銀座のフロア。アリスアンドオリビア(手前左)やミリー(同右)が人気

  • 写真:2014年春夏のカルヴェンのショー(大原広和氏撮影)

    2014年春夏のカルヴェンのショー(大原広和氏撮影)

  • 写真:2014年春夏の3・1フィリップ・リムのショー(大原広和氏撮影)

    2014年春夏の3・1フィリップ・リムのショー(大原広和氏撮影)

  • 写真:今年の「23区」の春夏物

    今年の「23区」の春夏物

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 シャツが1枚10万円以上する高級ブランドほど高価ではないが、デザイン性があって頑張れば手が届く。米国を中心に人気の「コンテンポラリーブランド」が、東京都内の百貨店でも売り場を広げている。一方、国内アパレルも画一的な商品作りから脱却し、素材へのこだわりなどで差別化に乗り出している。

■デザイン性と実用性

 西武渋谷店は昨秋、新しい自主編集売り場を立ち上げた。「コンテンポラリー」と「ラグジュアリー」を合わせた「コンポラックス」の名が示すように、海外のコンテンポラリーブランドを中心に扱う。

 ヨーロッパで人気のカルヴェンやアクネ、米国の3・1フィリップ・リムやラグ&ボーンなど。約300平方メートルの広い売り場に、25ブランドから厳選して買い付けた商品が並ぶ。

 中心価格帯は、今の季節ならワンピースが5万円台。館内にある高級ブランドよりも抑えめだ。パリやニューヨークのコレクションで発表するブランドも多く、「ジャケットなど仕事で着られる実用性がありながら、高いデザイン性も兼ね備えている」と、野部敬子バイヤーは評する。

 女性の生き方の選択肢が増えて、服の決まりごとはなくなりつつある。「ベーシックより個性。同じブランドでもエッジが立った商品を選び、他店と差別化を図っている」と野部バイヤー。開店から半年、20~50代の幅広いリピーターがついているという。

 松屋銀座でも昨年、12年ぶりの大型改装の目玉の一つとして、コンテンポラリーブランドを集めたエリアを新設した。米国のアリスアンドオリビアやミリー、英国のイッサ・ロンドンなど、銀座や丸の内で働く女性が好む美しいワンピースがそろうブランドに力を入れている。

 国内ブランドよりも高めだが、「高級ブランドの服は無理でも、靴など雑貨なら買いやすい。それらに合わせても負けない服として提案している」と藤岡恒夫バイヤーは説明する。

 松屋銀座・東京生活研究所の関本美弥子ファッションディレクターによると、コンテンポラリーブランドは米国で生まれた言葉で、7年ほど前から米国の百貨店はこぞって売り場を拡大している。「日本では高級ブランドとファストファッションに二極化し、中間がなかった。その隙間を埋める存在だと注目されている」と指摘する。

■国内ブランド「上質をより安く」

 一方、国内ブランドでも差別化の取り組みが始まっている。

 オンワード樫山は、5年ほど前から30代女性向けブランド「23区」の見直しを始めた。リーマン・ショック後の苦戦が原点にある。「クイックレスポンスを意識するあまり、国内ブランドはどれも似たり寄ったりで個性がなくなっていた」と江頭毅事業本部長。

 そこで打ち出した方針が「上質をリーズナブルに」。企業規模を生かし、他社が簡単に使えないような素材を早期に大量発注する作戦だ。2年前はイタリアのロロピアーナの生地を使い、通常なら10万円以上するウールコートを7万円台で実現した。

 今春には、近年日本で人気のイタリアのバッグメーカー、キャロル・ジェーに掛け合い、ポケットを増やした日本向けオリジナルモデルを作った。ブランド初の本革製バッグという。

 綿や麻といったシャツの素材も肌触りにこだわり、大半を高級輸入物に転換した。大量発注で価格は抑えているが、従来品よりは若干高めに。それでも売り上げは好調という。江頭本部長は「安い物は飽和状態。30~40代を中心に、多少高くても、良い物を求める動きが出てきている」と話す。(帯金真弓)

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