ファッションニュース

デジタル技術がファッションの世界を変える

  • 2015年8月31日

写真:服に骨格のイメージを重ねたアンリアレイジの「BONE」。鮮やかな色が暗闇に浮かび上がる 服に骨格のイメージを重ねたアンリアレイジの「BONE」。鮮やかな色が暗闇に浮かび上がる

写真:ソマルタの無縫製ニットの「スキン」シリーズ=いずれも神戸市東灘区
ソマルタの無縫製ニットの「スキン」シリーズ=いずれも神戸市東灘区

写真:バーチャル試着を体験する女性。ストライプのシャツを着ているが、モニターには花柄のワンピースが映っている=大阪の阪急百貨店うめだ本店
バーチャル試着を体験する女性。ストライプのシャツを着ているが、モニターには花柄のワンピースが映っている=大阪の阪急百貨店うめだ本店

[PR]

作り手・売り手、魅力発信の手段に

 デジタル技術が、ファッションの世界を変えようとしている。デザイナーにとっては、デザインやショーの演出に個性を打ち出す手段となり、売り場でも商品の魅力的な見せ方などに生かされている。

技術巧みに個性を表現

 神戸市の神戸ファッション美術館で10月6日まで「デジタル×ファッション 二進法からアンリアレイジ、ソマルタまで」が開かれている。デジタル技術を巧みに取り入れる日本発の二つのブランドの作品を楽しむことができる。

 アンリアレイジは昨年から、パリ・コレクションにも参加し、注目を集める気鋭のブランド。光を浴びると洋服の色が変わっていく「COLOR」、骨格をテーマにした「BONE」など、過去から現在までのコレクションを一堂に集めた。コンピューターで制御された紫外線を洋服にあてることで、模様が浮き出てくる「SHADOW」など、パリ・コレで披露した新作も展示されている。

 もともとはアナログなことをやってきたというデザイナーの森永邦彦は、ヨーロッパのデザイナーたちの伝統的な手仕事の世界に、壊せない壁のようなものを感じていたという。デジタル技術に出会ったことで、「新しい世界を描くことができた。デジタルなら、彼らと同じスタートラインで勝負できる」と話す。

 一方、ソマルタのデザイナーの廣川玉枝は「デジタルとアナログは相反する言葉に聞こえるが、共通点も多い」と言う。無縫製や加工を施したニットが人気で、無縫製編み機で作る「スキン」シリーズは、米国の人気歌手、レディー・ガガが着用したことで知られる。繊細な柄や立体的なパターンは、コンピューターでプログラミングしている。会場では3Dプリンターによる作品も紹介した。

 廣川は「様々なデジタルツールが増えたが、それを使うのは人。デジタルならではの職人的な技術が求められているだけで、完全に人の手を離れることはない」と言う。

 26日から9月1日までは、作品展の映像が東京の伊勢丹新宿本店で上映される。29日午後4時からは、森永やソマルタのビジュアルクリエーターの福井武らが登壇し、トークショーも開かれる。

バーチャル試着や採寸も

 身近な売り場にも、デジタルは進出している。

 大阪の阪急百貨店うめだ本店は昨年、バーチャル試着が体験できるイベントを開き、話題を集めた。大型液晶画面の前に立つと、モニターに「鏡」が現れる。表示された服から好きな一着を選ぶと、その服を着た自分が映し出される仕掛けだ。体を動かすと、洋服も一緒に動く。物の上に情報が示されるAR(拡張現実)の技術を使っている。

 3Dのバーチャルモデルが着たドレスを画面で見ながら、柄を縮小や拡大して自分だけのオリジナルを作るサービスも人気だった。技術提供したソフト開発のデジタルファッションの森田修史社長は「体を3次元にスキャナーで計測し、自分だけの服が作れます」と言う。

 伊勢丹新宿本店でも9月8日まで、デジタルとファッションの融合をテーマにイベントを開く。試着した姿を360度から確認できるデジタルミラーのほか、目の動きや瞬きで疲労度が分かるメガネの装着体験も用意した。

 液晶画面で商品情報を伝えるデジタルサイネージ(デジタル看板)も盛んだ。店舗の内装を手がける吉忠マネキンは昨年、「デジタルショーウインドウ」の展開を始めた。ディスプレーの中にマネキンや商品を置き、透明の液晶画面に商品情報を表示する。新宿高島屋は「夏のてみやげ」の売り場で導入した。同店の広報は「足を止めて、映像に見入っているお客様の姿を見かける。少しでも印象に残ってくれれば」と話す。(田中祐也)

このエントリーをはてなブックマークに追加
mixiチェック

&wの最新情報をチェック


&wの最新情報をチェック

Shopping