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「日本らしさ」満点のアートに拍手喝采 <カンヌライオンズ2014>

  • 2015年6月24日

  

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 青々とした田んぼに浮き上がるのは、ダイナミックな浮世絵にウルトラマン、マリリン・モンローまでいる。巨大な地上絵であるにもかかわらず、コンピュータグラフィックスのように精巧なデザインに驚かされる――。

 手作り感に加え、流れる音楽も含めて、すべてに「日本らしさ」が満ちたこの作品は、博報堂の製作によるもの。2014年のカンヌライオンズの表彰式で披露された時は、拍手が鳴りやまず、口笛の嵐が吹き荒れた。PRとアウトドアの2部門で金賞に輝いた。 

 「田んぼアート」とは、異なる色の米を植えて、その色の違いで田んぼに巨大な絵を描くもの。青森県田舎館(いなかだて)村では、1993年から村おこしのために田んぼアートを作っていて、発祥の地とされている。いまでは、人口約8千人の村に約25万人の観光客が訪れるまでになった。

 評価されたのは、アートによる観光客誘致という経済効果だけではない。アートの絵柄をスマホで読み取ると、田舎館村でつくられた米をネットで買えるという仕組みをつくった点が、斬新な試みとして評価された。「米作り」という、日本人には欠かせない農業産品と最新技術の組み合わせが絶妙だったようだ。

 絵柄のデザインは、展望台から見下ろした時に一番きれいな形になるように考えられている。遠近法を取り入れ、手前を小さめに奥を大きめに描くことで、絵のゆがみを少なくしている。日本人らしい細やかな仕事ぶりも、作品の評価につながったのかもしれない。

(メディアラボ 林亜季)

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 毎年6月、南仏のカンヌで開かれる世界最大級の広告表現の祭典「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」。本連載では高い評価を受けた作品を紹介していきます。

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