世界美食紀行

“次に来そう”な美&食を先取り フィリピン(1)

  • 文 江藤詩文
  • 2015年7月21日

写真:「マドリード フュージョン マニラ」のローンチを記念して、なんと大統領官邸のマラカニアン宮殿で、レセプションが開かれました。6月に来日したベニグノ・アキノ大統領も出席され、気軽に記念撮影に応じていました 「マドリード フュージョン マニラ」のローンチを記念して、なんと大統領官邸のマラカニアン宮殿で、レセプションが開かれました。6月に来日したベニグノ・アキノ大統領も出席され、気軽に記念撮影に応じていました

写真:学会では、スペインとフィリピンのトップシェフによるデモンストレーションが行なわれました。グリーンマンゴーなど東南アジア特有の食材の持ち味と、ヨーロッパの技術の融合など、フィリピン料理を理解するための興味深いテーマがいっぱい 学会では、スペインとフィリピンのトップシェフによるデモンストレーションが行なわれました。グリーンマンゴーなど東南アジア特有の食材の持ち味と、ヨーロッパの技術の融合など、フィリピン料理を理解するための興味深いテーマがいっぱい

写真:「ザ・ファーム・アット・サンベニート」のランチ。ここの食事は、肉・魚・玉子・乳製品を使わないビーガンで、生の食材に含まれる酵素を壊さないために最低限の加熱調理でつくる「リビングフード」。基本的にアルコールも摂らないことを推奨しています 「ザ・ファーム・アット・サンベニート」のランチ。ここの食事は、肉・魚・玉子・乳製品を使わないビーガンで、生の食材に含まれる酵素を壊さないために最低限の加熱調理でつくる「リビングフード」。基本的にアルコールも摂らないことを推奨しています

写真:「ザ・ファーム・アット・サンベニート」のココナッツ&オーガニック野菜ファーム。しぼり立てのココナッツオイルやココナッツミルクは新鮮で、風味も抜群。食事にはもちろん、スパのトリートメントにも使われます 「ザ・ファーム・アット・サンベニート」のココナッツ&オーガニック野菜ファーム。しぼり立てのココナッツオイルやココナッツミルクは新鮮で、風味も抜群。食事にはもちろん、スパのトリートメントにも使われます

写真:「アントニオス」の料理は、モダンヨーロピアンに伝統的なフィリピン料理を取り入れた創作料理。野菜は敷地内にあるオーガニックファームで栽培したものを使っています。昼夜同じメニューなので、緑を楽しめるランチタイムがおすすめ 「アントニオス」の料理は、モダンヨーロピアンに伝統的なフィリピン料理を取り入れた創作料理。野菜は敷地内にあるオーガニックファームで栽培したものを使っています。昼夜同じメニューなので、緑を楽しめるランチタイムがおすすめ

写真:フィリピンの南国風建築スタイルと、コロニアル様式が融合したエレガントな空間。ウェイトレスのクラシカルなユニフォームも雰囲気を演出しています。中庭に面した別棟は、開放感のあるバーラウンジになっていて、食前や食後の1杯を楽しめます フィリピンの南国風建築スタイルと、コロニアル様式が融合したエレガントな空間。ウェイトレスのクラシカルなユニフォームも雰囲気を演出しています。中庭に面した別棟は、開放感のあるバーラウンジになっていて、食前や食後の1杯を楽しめます

写真:インドネシアの特産品「コピ・ルアック」として有名な、ジャコウネコのフンから採取したコーヒー豆。それがフィリピンにも「アラミドコーヒー」という名でありました。100グラム2400ペソ(約6480円)と、めちゃくちゃ高額な最高級豆です インドネシアの特産品「コピ・ルアック」として有名な、ジャコウネコのフンから採取したコーヒー豆。それがフィリピンにも「アラミドコーヒー」という名でありました。100グラム2400ペソ(約6480円)と、めちゃくちゃ高額な最高級豆です

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 米CNNがフェイスブックの読者アンケートによる「グルメ旅の世界ランキング ベスト10」を6月に発表しました。圧倒的な得票差で首位に立ったのは台湾。うんうん、台湾は旅行者のお財布にやさしいB級グルメも楽しいし、小さな島ながら郷土料理もあるし、納得です。

 国が熱心にPRしている我らが日本は微妙な5位で、思うことはいろいろあるけれど、それはまあいい。で、2位につけた国の名を見てびっくりしました。

 あの美食国家フランス(圏外)でもイタリア(3位)でもなく、世界三大料理のトルコ(圏外)や中国(香港が7位)でもなく、なんとフィリピンだったのです。 

 フィリピンといえば、日本で知られているのは、フィリピンマンゴーやバナナ、ミニストップの夏の風物詩「ハロハロ」くらい。「これがフィリピン料理」と、代表的なメニュー名をすぐに挙げられる人は少ないのではないでしょうか。

 けれども世界では、フィリピンの食材と料理が、すでに注目されはじめています。

世界の食の祭典がマニラにローンチ

 フィリピンの首都マニラではこの4月、美食の祭典「マドリード・フュージョン・マニラ」が開催されました。「マドリード・フュージョン」は、毎年1月にスペインのマドリードで開かれる料理学会と食の祭典です。スペインの料理界といえば、「世界一のレストラン」といわれた「エル・ブリ」をはじめ、料理を科学的に分子レベルにまで分析・研究した「分子ガストロノミー」で一世を風靡しました。学会では、世界の最新技術や食材が披露されるため、世界中の料理人やジャーナリストの関心を集めています。その祭典が、今年はじめてマニラにローンチしました。

 展示場にはフィリピンのさまざまな特産品が並んでいましたが、なかでも目を引いたのが、美肌や健康にいいということで日本でもブームのココナッツオイルやココナッツミルクです。ココナッツは、中鎖脂肪酸という代謝を促進して脂肪を燃焼するといわれる成分を多く含むことから、ダイエット効果が期待されているそう。

 マニラ郊外には、そんなココナッツを敷地内でオーガニック栽培し、自家製のエキストラバージンオイルやミルクをつくっている「ザ・ファーム・アット・サンベニート」があります。ここはスパでのトリートメントとヘルシーな食事を組み合わせた滞在型のヘルスリゾートで、世界の著名人、たとえば日本人では女優の川島なお美さんといった情報に敏感な人たちが、すでに足を運んでいました。

アジアのベストレストラン50にランクイン

 美食トレンドもおもしろいことになっていて、世界レベルの料理人やレストランがいくつか登場しています。そのひとつが、マニラから60kmほど南下した、日本でいえば軽井沢のような避暑地・タガイタイにある「アントニオス」です。アジア全域を対象にした「アジアのベストレストラン50」の2015年版で、フィリピンからはじめて48位にランクインしました。

 レストランは、スペインの影響を感じるコロニアル建築の瀟洒な一軒家の邸宅。丘の中腹にたたずみ、明るい光と豊かな緑に包まれてリゾート感たっぷり。ランチに行ってみると、シンガポールのフードジャーナリストふたりが取材と視察に訪れていました。

 マニラを拠点に、ヘルスリゾート「ザ・ファーム・アット・サンベニート」と組み合わせれば、フィリピンの食の“いま”をコンパクトに体験できるこのルート。この様子では、たちまち予約が取れない人気の旅先になってしまいそうなので、ぜひお早めに。

■トラベルデータ

日本からフィリピンのマニラへは、各地から直行便が飛んでいる。羽田空港からの飛行時間は約4時間。公用語はタガログ語。英語は共通語で、どこでも英語が通じる。時差はマイナス1時間。通貨はフィリピンペソで、1ペソ=約2.7円。
*データは2015年4月取材時のもの

■取材協力:

フィリピン政府観光省

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PROFILE

江藤詩文(えとう・しふみ)

トラベルジャーナリスト、フードジャーナリスト、コラムニスト。その土地の風土や人に育まれたガストロノミーや歴史に裏打ちされたカルチャーなど、知的好奇心を刺激する旅を提案。趣味は、旅や食にまつわる本を集めることと民族衣装によるコスプレ。著書に電子書籍「ほろ酔い鉄子の世界鉄道〜乗っ旅、食べ旅〜」シリーズ3巻。「江藤詩文の世界鉄道旅」を産経ニュースほかで連載中。

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