山崎亮 〈ハタラク〉をデザインする

「たまたま」の出会いを夢につなげる 古田秘馬(1)

  • 2013年9月19日
  

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 何のために働くのか。シアワセを生み出す働き方とは――。そんなテーマのもとに、コミュニティデザイナーの山崎亮さんがホスト役となってハタラク・エキスパートたちとの対話を重ねる、連続公開対談「〈ハタラク〉をデザインする」。8月20日に開催された第2回のゲストは、東京・六本木にある「農業実験レストラン 六本木農園」ほか、さまざまなプロジェクトを仕掛けてきた、プロジェクトデザイナーの古田秘馬さん。120分のトークライブの模様を5回にわたって紹介する。

仕事をドライブさせる燃料は?

古田秘馬 僕の仕事はプロジェクトデザインということで、全国各地でいろいろな小さなプロジェクトを仕掛けていく仕事をしています。例えば、八ヶ岳(山梨県・八ヶ岳南麓)では、ペンションブームが去り、日帰りのお客さんしかいない。どうしたらいいだろうと相談を受けた時に、地域の人たちと対話をしながら考えたら、高原の野菜とか、ジャムもヨーグルトもぜんぶ、朝、気持ちいいものばっかりだということに気づいて。だったら「日本一の朝」にしませんか、みたいに着想するわけです。それなら、イベントは全部、早朝にやっちゃって、日の出前にスキー場を開けて、雪解け水でコーヒーを沸かして飲んで、それから滑りましょう、とね。
 基本的には、「何も作らない、何も壊さない」というのが原則です。あえて、ハードはつくらない。全部、そこにあるものをそのまま使う。ただ、それが価値として世の中に伝わっていないだけなので、その価値を今の世の中に合わせた形で見出して、新たに提案するという仕事なんですね。
 今までみたいに何かを見に行くという観光ではなくて、現地に足を運んで空気に触れてイベントに参加して楽しみながら、ついでに地域の課題も一緒に解決しちゃう。それが「面白いこと見つけちゃったね」という価値につながるわけで。こんな掘り出しものの価値を「ソーシャルバリュー」と呼びます。
 その地域なり、その人なりの特性がちゃんとあるんだよということを見出してあげて、それまで誰も気づいていなかった、でも、もともとそこにあった価値というものを再発見するというようなシゴトをやっています。

山崎亮 すみません、前の仕事が長引いて来るのが遅れたんですが、心にはゆとりがあったんです。なんといっても、ゲストは秘馬さんですからね。たぶん、今日は何のテーマで呼ばれているか詳しくはわかっていないだろうけど、それでもしゃべってくれる人なんですよ、この人は。ありがたい人で(笑)。
 この「〈ハタラク〉をデザインする」という連続対談は2回目ですが、これは、僕自身がコミュニティデザインをさまざまな地域に入って実践していくなかで浮かび上がってきた問題意識から始まっているんです。そもそもシゴトって、人の働き方って、どんなモチベーションをもって、どんなつながりのなかでデザインできるのかなって。
 僕は地域の人たちと対話を重ねるなかで、人は、いろんな人たちとつながりを持つなかで力を発揮する、ということを発見したんですね。村のみなさんはそれぞれに仕事を持たれていて、夜7時ぐらいに公民館とかに集まって、僕らと一緒にワークショップをやってくれるわけですけれども、その人たちが一緒につながって何か新しいことを始めると、面白いことができちゃった。こういうつながり方の研究をしていくと、ひょっとしたら田舎じゃなくても、会社の中で、会社のコミュニティにも変革を起こすことができるんじゃないか。あるいは、会社での働き方を変えるという試みが逆に、僕らがやっている地域コミュニティの活動にも参考になるんじゃないかなと。そんな大きなスケールでの知の共有・循環ができるのでは、と考えたのがきっかけです。

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