山崎亮 〈ハタラク〉をデザインする

徹底的にどこまで突き詰められるか 古田秘馬(5)

  • 古田秘馬×山崎亮(5)
  • 2013年10月17日
  

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 何のために働くのか。シアワセを生み出す働き方とは――。そんなテーマのもと、コミュニティデザイナーの山崎亮さんがホスト役となってハタラク・エキスパートたちとの対話を重ねる、連続公開対談「〈ハタラク〉をデザインする」。第2回のゲスト、東京・六本木のビルに囲まれた農園付きのレストラン「農業実験レストラン 六本木農園」ほか、さまざまなプロジェクトを仕掛けてきた、プロジェクトデザイナーの古田秘馬さんの最終回。会場から質問を受けた古田さんは、意外な幼少時代のエピソードも披露した。

本質を見る。答えは「第3極」にある

山崎亮 会場からの質問に順々に答えてきました。あと、この質問なんかはどうですか。

◆「どう考えても、価値がないような気がする地域もあります。そういうところで、どうやって価値を見出すのでしょうか。見出したものが、地元の人が望まない価値になることはないのでしょうか」

古田秘馬 価値がないようなというのは、現時点のその人からの視点では、そう見えるということですね。でも、違う角度から見ると、ものすごい価値になる可能性があるんです。さっき、「Community Shared Value」のお話をしましたね。全方位の人には難しくても、あるコミュニティの人にとってはものすごい価値のあるものって、いっぱいありますよ。

山崎亮 そういうアンテナがピンと立つようになるには、どうしたらいいんですか? ある人たちには価値になるねとわかるための嗅覚を、どうすれば研ぎ澄ますことができるか。

古田 やはり、何回かその土地に通っていると、そこにある本質って見えてくる。そこの地域の人が、実際にこうだ言っていても、いや、深い所じゃそうじゃないなとか。

山崎 そうじゃない場合が多いですね。

古田 僕はけっこう、人を紹介するのが得意なタイプなんですが、この人の本質がこうだとわかってくると、それならあの人が合うなってピンとくる。それと同じ感覚なんですね。

山崎 ああ、そうか。この人にとっては、この地域のこの側面が合うなという感じがわかれば、おのずとね。その人の中の、その地域の中の価値を自分でどう咀嚼(そしゃく)するのかというところがポイントですね。あと、もう一つ質問がありましたね。

◆「組織の目的と個人のやりたいことが一致しないことが多い。その間を擦りあわせるにはどうすればいいですか。雇う側は何を配慮すべきで、雇われる側はどんな努力をすればいいでしょう」

古田 一言でいえば、個人でも組織でもない、人類のためにこれをやろうぜ、みたいな話。うちの社員には、まず明治維新の『おーい!竜馬』を読ませるわけです。あの時代はみんな、組織でも個人でもないぞと。未来のために。俺らもそれをやろうぜという風に。
 個人と組織、どっちなんですかっていうと、答えがないんですよ。だからこそオルタナティブ、第3の極を探って、僕らが次の世代に「何をするか」を問いかけていく。いろいろ解決しない問題って、一歩引いて、第3の極点を見てみると、実は全部包含できることって、いっぱいあるんですよね。

山崎 そうか。組織が目指す方向性が固定化しちゃったら、もう、どうあがいても、働いている人たちは、それに沿わざるを得ない。だから、「どっちか」に固定しない。組織の目的と個人の目的のどっちへ引っ張られるかじゃなく、いやいや、もっと先を見据えた「こっち」の話を本当に真剣にやろうぜという話になれば、これは組織側も、やはり覚悟を持って、本当にそっちを目指さなきゃと大きく舵切りができるかもしれない。でも、個人が、そこまでの覚悟を持ってその話をしているかどうかというのは、すごい大事じゃないかな。

古田 すごい重要。

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PROFILE

古田秘馬(ふるた・ひま)

慶応義塾大学中退。 株式会社umari代表。雑誌「ポカラ」のプロデューサーなどをへて、 2000年にニューヨークでコンサルティング会社を設立。02年から東京に拠点を移す。現在は、山梨県・八ヶ岳南麓の『日本一の朝プロジェクト』、東京・丸の内の『朝EXPO in Marunouchi』、六本木の『農業実験レストラン 六本木農園』、歌舞伎のブランディングなどを手がける。著書に『若き挑戦者たち』。HP


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