山崎亮 〈ハタラク〉をデザインする

寝入りばなでも、思いついたらメモする 遠山正道(4)

  • 遠山正道×山崎亮(4)
  • 2013年11月14日
  

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 何のために働くのか。シアワセを生み出す働き方とは――。コミュニティデザイナーの山崎亮さんがホスト役となってハタラク・エキスパートたちとの対話を重ねる、連続公開対談「〈ハタラク〉をデザインする」。9月24日に開催された第3回のゲストは、スープ専門店「Soup Stock Tokyo」ほか、新しいコンセプトのリサイクルショップ「PASS THE BATON」などを展開する株式会社スマイルズ社長の遠山正道さん。120分のトークライブも、いよいよ後半に。アイデアが湧く瞬間などのエピソードが飛び出した。

なんでこうなるの?という疑問を大事に

山崎亮 今後ひょっとしたら課題になるのは、いかに、社員が事業提案していけるかということかもしれませんね。先ほど、残念ながらと前置きされておっしゃったみたいに、今の四つの事業はすべて遠山さんから発想されていて、遠山さん色で共通しているということにもなるんですが、これからはスマイルズの社員の人たちが、「Smilesさん」を意識しながら事業提案して、そいつを走らせる。そうすれば、本当の意味でスマイルズ色になっていくということでしょうね。

遠山正道 そうですね。

山崎 さきほど、魅力的な個別の事業にシナジー効果を期待しているわけではない、とお話されていましたが、それぞれに個性を持つ事業をマネジメントしていくコツみたいなものがあれば、教えてほしいのですが。

遠山 コツなら、ないっていう感じで。大変なことならたくさんあるんですけど。何をやり始めても、全然うまくいかないです。Soup Stock Tokyoの事業も、売り上げは伸びて出店も増えているんですが、利益が安定しはじめたのは8年目ぐらいからなんですね。

山崎 へえ、そうなんですか。

遠山 giraffeは本当に苦労して、黒字に転じたのは5年目ぐらいです。PASS THE BATONも4年目で何とかなった、という感じで。だから、ビジネスなんて、利益でいえば、うまくないかないのが当たり前と思った方がいい。だからこそ、もともとが「ちゃんとやりたくて、やるべきこと」じゃないと続かないし、踏ん張れない。Soup Stock TokyoはSoup Stock Tokyoでやりたいことがあるし、PASS THE BATONはPASS THE BATONとしてやっていく。それぞれにカラーがあるんですね。やっぱりここは一緒にはできないなみたいなところってあるんですよ。仮にスープで人が余ってるから、じゃあPASS THE BATONのほうにきて、というのは難しい。

山崎 人事交流とかはしてるんですか。

遠山 あってもいいんですけど、でも、誰でもいいということにはならない。PASS THE BATON側も、この人だったら欲しい、というのは当然あって。そういう意味で言うと、もう別々にやっているというつもりぐらいの感じですかね。
 スマイルズのような小さな会社でも、70億円ぐらいの規模になって、やっぱり守らなきゃいけない最低限のルールみたいものはあるんですよ。ポスレジを使うとか、勤怠管理をするとか。
 でも、新しい小さいビジネスを始める時って、ポスレジなんか必要ないし、ザルにお金をためて始めるようなところからスタートするかもしれない。

山崎 個別のプロジェクトごとに工夫している感じですか?

遠山 工夫というより、それぞれがバラバラに楽しくという感じですかね。商社だって、自動車部と燃料部と繊維部とは全然違うし。

山崎 じゃあ、ご出身の商社的なモデルは、やっぱりあるのかもしれないですね。そういう事業部ごとにちゃんとやっていこうぜという感覚は。

遠山 そうそう。だから結構きついですよ。うちの事業部長は毎週、経営会議でガンガンにやられてげっそりしながら。横で見ていて、大変だなあ……と。

山崎 社長さん、他人事みたいに(笑)。

寝入りばな、思いついたことを絵本に

山崎 はい。次は、ちょっとほっこりする質問ですね。

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PROFILE

遠山正道(とおやま・まさみち)

1962年、東京都生まれ。慶應義塾大卒。85年、三菱商事入社。97年、日本ケンタッキー・フライド・チキンへの出向を経て、2000年、三菱商事初の社内ベンチャー企業「スマイルズ」を設立。現在、「Soup Stock Tokyo」のほか、ネクタイの専門ブランド「giraffe」、新しいリサイクルショップ「PASS THE BATON」、ファッションブランド「my panda」を展開。近著に『成功することを決めた』(新潮社)。HP


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