山崎亮 〈ハタラク〉をデザインする

「おかげで元気に」と言われるような存在感を 柳澤大輔(5)

  • 柳澤大輔×山崎亮(5)
  • 2014年2月6日
  

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 何のために働くのか。シアワセを生み出す働き方とは――。コミュニティデザイナーの山崎亮さんがホスト役となってハタラク・エキスパートたちとの対話を重ねる、連続公開対談「〈ハタラク〉をデザインする」。昨年12月17日に開催された第5回のゲストは、面白法人「カヤック」代表の柳澤大輔さん。5回に分けて連載する120分のトークライブもいよいよ最終回に。柳澤さんは、会場から次々に寄せられる問いへの回答を一つひとつ考えながら、「カヤック流」を紐解いていった。

「オープン」で「ハード」な職能集団

山崎亮 残り時間が少なくなってきました。まだご質問がいくつかあるようでしたね。

 ◆質問「飲食業などをされているようですが、他に新事業として取り組みたいと思っていることはありますか?」

柳澤大輔 あるにはあります。創業から15年の中で、面白法人という組織が、人から面白い!と言われるためにといろんなことを仕掛けてきたのですが、飲食もその一つ。子ども服に進出したこともありますし、かなり多岐にわたって事業を広げてきました。けれど、今はむしろ事業を整理して絞り込み、そこを強くしていくことを一生懸命やっている時期なので、新事業をいろいろ仕掛けていくフェーズではないんです。
 さきほど、会社の規模を大きくしようと決めた時期があったと話しましたね。その時点から、外部からの投資を受け入れたんです。投資家の目線からすれば、いろんなことに手を出す会社は信用ならない。どこかに的を絞っていくというのが大事になりますね。
 僕ら経営陣も、今はある程度整理して、コアな事業に絞っていくことを楽しく、面白く感じている時期なんです。今年(2013年)に入ってから、いろんなサービスを3個ぐらい売却しましたし。整理をしていった結果、今はゲーム、漫画、アニメに力を入れているところです。

 ◆質問「自由と責任についてどう考えていますか? 経営者と社員で、自由と責任についての考え方に、重みづけとかがあるのでしょうか?」

柳澤 答えになっているかどうかわからないですけど、各自の主体性や多様性を尊重するという会社なので、「○○をやってはいけない」という縛りはあります。でも、それ以外は自由というのがいいのだと思います。カヤックに入って辞めた人から「前よりも自由になりました」と言われるとうれしくなります。
 ただ、なんといっても、職種をウェブクリエイターに絞った職能集団。ぎりぎりのところで勝敗を争うスポーツみたいに、技能でしのぎを削っているところはあるので、すごく厳しい集団だと思うんですよ。報酬もみんなからの総合評価で決まるわけだから。新しい人が入社して3カ月たてば、僕が評価しなくても、周りから「あいつ使えなくなってる」と言われてしまったら、どうしようもない。だから、合わない人は3カ月で退職金をもらって辞めていくことになっているわけですね。

その環境の中で、お互いに本音で、オープンにぶつけあっていく。みんなが「そういうものだ」と受け入れているから、ギスギスしないんじゃないでしょうか。

山崎 オープンかつハードな職能集団ですね。

柳澤 ある意味、本音でぶつからないと許されない組織なので、それが苦しくなる人もけっこういる。でも、その苦しくなることだって否定しないし、それがその人なんだから、それでいいわけで。カヤックは厳しいけれども、そのカヤックが正しいわけでもない。合わないから辞めていくというのは、カヤック方式や文化が合わないというだけのこと。すべては自分でどうしたいかにかかっている。やらされ感じゃない自己選択だから、キツイ部分はあったとしてもね。しかもそれは、別に、責任とセットとしての自由じゃなくてね。

山崎 さっきお話しされていましたけれど、面白いことをやっていこうとすると、本当に面白いことばかりやってしまって、どう見たってこのプロジェクトうまくいかなそうだけど、ということでも立ち上げて、結局ダメでした、というのもあったりしますよね?

柳澤 ありますね。

山崎 本当に面白いことを選りすぐってどんどんやりなさいっていう自由を保ちつつも、全体の売り上げが上がり続けてきたということなんですが、これが仮に下がったとしても、みんなで総合評価しながら事業を動かしているので誰の責任というものでもない、ということなんですね。

柳澤 そういうことなんでしょうね。言語化してくれて、ありがとうございます(笑)

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