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40代の女性。数カ月前から口の中が苦く、金属の味がします。歯科で異常はなく、耳鼻科では、味覚障害の原因となる亜鉛不足が疑われ、処方された亜鉛を飲んでいますが改善しません。たばこは吸わず、薬は花粉症薬と胃薬を服用しています。(石川県・S)
【答える人】 田中真琴(たなか・まこと)さん 日本大学医学部助教(耳鼻咽喉(いんこう)・頭頸部(けいぶ)外科)=東京都板橋区
味覚障害の症状は。
味の違いが分からなくなる「味覚低下」がほとんどですが、味覚を刺激するものがないのに特定の味を感じる「自発性異常味覚」という症状もあります。相談者の方は後者に当てはまる可能性があります。
原因は。
味覚障害の原因は多様ですが、味覚を感知する舌の細胞の新陳代謝に必要な亜鉛の欠乏が関連していると考えられています。偏った食生活や、薬の影響、肝・腎機能障害や糖尿病などの全身疾患で亜鉛不足が生じることがあり、その場合は亜鉛の補充で治療します。そのほか、原因がわからないものも多く、うつや神経症などの心因的な要因で起こすこともあります。
相談者は亜鉛を服用しても改善しないようですが。
亜鉛補充療法の効果がでてくるのは3~6カ月なので、内服期間の問題があるかもしれません。自発性異常味覚は原因をすぐに特定するのが難しいことが多く、考えられる原因を一つひとつ検討していく必要があります。心因性の場合は抗うつ薬や漢方薬で治療することもあります。
花粉症薬を服用しているとのことです。
抗アレルギー薬の中にも、味覚障害を引き起こすものがあります。薬が原因の場合、別の薬に変更すると良くなることがあります。
放っておくとよくないのでしょうか。
味覚障害は近年、高齢者や女性を中心に増えています。生命に直接関わる病気ではありませんが、極端に塩辛い味付けを続けていると高血圧、甘い味付けでは糖尿病など、二次的に病気を引き起こす可能性があります。
質問には連絡先を。回答は紙面に限ります。
<アピタル:どうしました・口・歯>
http://www.asahi.com/apital/healthguide/hatena/
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