中学1年の長男。5歳のころからひざの裏に膨らみがあります。痛みはないものの、立っていると圧迫感があるそうです。医師から「水を抜いても、またたまる」と言われました。本人は抜きたいようですが、抜いてよいでしょうか。原因は何ですか。(埼玉県・K)

 【答える人】白勝(はくかつ)さん 狛江はく整形外科院長=東京都狛江市

Question膨らみは何でしょう。

Answerひざの関節には「滑液包(かつえきほう)」という潤滑油の役割を果たす水が入った袋があります。ひざの炎症などでこの袋に水がたまって大きくなり、ひざの裏側に押し出されると膨らみができます。「ベーカー嚢腫(のうしゅ)」と呼ばれます。まれなケースですが、ひざの裏が膨れる症状はほかに、大人では良性腫瘍(しゅよう)である神経鞘腫(しょうしゅ)、子どもでは脂肪腫などがあるため、超音波かMRI検査で診断します。ベーカー嚢腫は、押しても痛みがほとんどないのが特徴です。

Question原因は。

Answer大人は半月板損傷や変形性ひざ関節症などが原因のことが多く、子どもはひざが逆に反れる反張ひざや、スポーツで同じ動作を繰り返すことなどが原因になります。40歳以上の女性に多く、10歳以下でもまれにみられます。

Question治療法は。

Answer膨らみが気になるのであれば、水を抜いてもよいでしょう。ただし、抜くだけでは、再びたまることがあります。再発を防ぐために、ステロイドを患部に注射することもあります。大人では、炎症を起こす原因の疾患を治す必要があります。子どもは過度な屈伸運動など、ひざに負担がかかる動作を繰り返していないか確認しましょう。

Question痛みがなくても、治療は必要ですか。

Answer生活に支障がなければ基本的に必要ありません。嚢腫がやぶれて水が漏れ、周りに炎症を起こすことがありますが、多くは時間とともに改善します。一方、膨らみがひざ裏の静脈を圧迫して血栓を作り、治療が必要になることもあります。専門医に定期的に経過をみてもらう方がよいでしょう。

子どものベーカー嚢腫 発生頻度は2.4%

 相談者の長男のひざの裏の写真を見た「狛江はく整形外科」の白勝院長は、これだけでは診断できないとしたうえで、「ベーカー嚢腫」の可能性が高いとみる。子どもの足にベーカー?腫ができることは、まれにあるという。

 子どもの場合、関節の中とつながっていない嚢腫が多いので、写真のように、ひざの裏の表面近くにできる可能性がある。

 ドイツでの調査では、持病があり、膝に症状のない15歳以下の168人を超音波で調べたところ、ベーカー嚢腫と診断された子どもが4人(2・4%)いたという。

 白院長は「スポーツや日常生活で、ひざを使う運動を繰り返していないかを確認します。原因がわかったら、その動きをすることは、しばらく控えましょう」と話している。

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