3歳の長女。生まれたときから、カフェオレのような色をした斑点がおなかから背中にかけていくつもあります。気にしていなかったのですが、自治体の健診で「レックリングハウゼン病」の可能性があると指摘されました。どんな病気なのでしょうか。(大阪府・K)

 【答える人】 佐谷秀行(さやひでゆき)さん 慶応大先端医科学研究所教授(腫瘍生物学)=東京都新宿区

Questionレックリングハウゼン病とは。

Answer神経線維腫症1型(NF1)とも呼ばれ、最初に報告した医学者の名前から病名がつきました。特定の遺伝子が原因でなる病気で、国内に約4万人いると推定されます。軽症の人も多く、生涯気がつかない人もいます。

Question症状は。

Answer主に二つあります。一つは、皮膚に「カフェオレ斑」ができることです。子どもは5ミリ以上の斑点が6個以上あると、この病気が疑われます。斑点は腹や背中にできることが多いです。もう一つは、皮膚などにこぶのような「神経線維腫」という腫瘍(しゅよう)ができることです。主に思春期以降にみられます。ほとんどは良性ですが、まれに神経に悪性腫瘍ができることがあります。骨に腫瘍ができて背骨が曲がることもあります。

Question原因は。

Answer原因となる遺伝子はわかっています。病気の親から子に遺伝する確率は50%になります。ただ、半数以上の患者は突然変異が原因です。

Question相談者の場合、どんな治療が考えられますか。

Answer今は子どもの状態を注意深く観察して下さい。こぶができれば、皮膚科などで切除を検討します。重症化しない人も多いので心配しすぎないようにしましょう。専門医に相談し、半年に1回程度の定期的な診療を受けてみてはどうでしょうか。専門医は日本レックリングハウゼン病学会のウェブサイトに掲載されています。

Question斑点は消せませんか。

Answer残念ながら、消すことができる薬はありません。レーザー治療も試みられていますが、完全に消えるかどうかはわからないようです。

あせび会、40年にわたり患者・家族を支援

 レックリングハウゼン病は、体にカフェオレ斑やこぶのような神経線維腫ができ、患者にとって深刻な悩みとなる。患者会「あせび会」(東京都文京区)は、約40年にわたって患者や家族らの相談に乗り、支援をしている。

 あせび会は、レックリングハウゼン病を中心とした希少難病の患者らが地域で安心して暮らせることを目指し、1977年に結成された。専門家の医師らによる会員向けの講演会を毎年開き、今年は2月19日に東京都内であった。

 慶応大学先端医科学研究所の佐谷秀行教授(腫瘍生物学)や、この病気の診療経験が豊富な佃リバーシティ皮膚科(東京都中央区)の谷戸克己院長らが登壇した。

 佐谷教授は、カフェオレ斑と似た斑点が出る別の病気との判別について、「遺伝子検査で可能になってきた」と説明。また、米国での臨床試験では、がんに使われている分子標的薬によって腫瘍が縮小した症例があることを紹介した。

 会に寄せられる相談で多いのは、就労や結婚に関する内容という。佐藤エミ子会長は「患者や家族が、自信を持てるようにしていきたい」と話している。

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