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64歳の女性。昨年6月に左ひざ内側の下辺りがずきずきと痛み出し、整形外科で鵞足炎(がそくえん)と診断されました。階段を上るのもつらく、痛み止めの薬や電気治療、はりやマッサージも試しましたが、良くなりません。もう痛みはとれないのでしょうか。(兵庫県・K)
■答える人 安田稔人(やすだとしと)さん 大阪医科大准教授(整形外科)=大阪府高槻市
鵞足とは。
ひざ内側の関節から3~5センチ下辺りに、太ももにある縫工筋、薄筋、半腱(けん)様筋という三つの筋肉の腱が扇状に集まる部分があります。ガチョウの足の形に見えるため鵞足と呼ばれます。この腱が骨につく部分や、鵞足とひざの靱帯(じんたい)との間の部位が炎症を起こすのが鵞足炎です。
なぜ起きるのですか。
腱が筋肉に繰り返し引っ張られると、腱が骨につく部分に過度に負荷がかかって傷みます。また、鵞足と靱帯が何度もこすれると、その間の部位に炎症を起こします。ランニング、キック動作やストップとダッシュを頻繁に行うスポーツ選手に多いです。
スポーツをしていなくてもなりますか。
ひざを使う動作や体重増により、鵞足への負荷が増します。肥満傾向の中高年の人が急に長い距離を歩いた場合なども発症しやすく、変形性ひざ関節症と併発する人も多いです。X脚や外反扁平(へんぺい)足の人もなりやすいです。
治療法は。
まず安静にして、痛みが強ければ湿布や炎症を抑える薬をのみます。和らいだらストレッチで太ももの裏側や内側の筋肉を伸ばします。足の形に合ったインソールを靴に入れるのも効果的です。
痛みが引かない時は。
症状が似た別の疾患も多いため慎重な診断が重要です。痛みが続く時はステロイドと局所麻酔薬を注射しますが、ステロイドが腱を傷める恐れがあるため最小限にとどめるべきです。
気をつけることは。
筋肉をストレッチしたり、適正体重を保ったりして、鵞足への負担を減らすことが大切です。
質問には連絡先を。回答は紙面に限ります。
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