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40代の女性。善玉と呼ばれるHDLコレステロールが1デシリットルあたり104ミリグラムで、健康診断で高いと指摘されます。ほかは基準内で健康です。なぜ高くなるのでしょうか。日常生活で気をつけることはありますか。(東京都・T)
【答える人】 平野賢一(ひらのけんいち)さん 大阪大学医学部付属病院助教(脂質学)=大阪府吹田市
コレステロールとは。
血液の中にある脂(あぶら)の一種です。悪玉と呼ばれるLDLコレステロールは、酸化すると血管の壁にたまって、動脈硬化が進みます。HDLは、たまったコレステロールを引き抜いて肝臓に戻すため、善玉と呼ばれます。
善玉なので、高くても問題ありませんか。
以前は「善玉は高くても問題ない」と考えられていましたが、同じHDLでも、全てが悪玉を運んでくれる「働き者」とは限らないことが分かってきました。ただ、血液検査ではその質まで調べられず、高いHDLの値の中にどのぐらい働き者の善玉がいるかは分かりません。
基準はありますか。
1デシリットルあたり40~60ミリグラム程度でしょうか。女性はホルモンの影響で高めですが、100を超えると非常に高く、日本では千人に1~2人ほどです。HDLの高い住民が多い地域で調査すると、70ミリグラムぐらいまでの人は心筋梗塞(こうそく)といった病気が減りましたが、それ以上になると、心疾患やがんになる人も出てきます。
なぜHDLが高くなるのですか。
慢性的に過度な飲酒を続けていると、HDLが上がりやすくなります。1カ月ほど断酒して、HDLが下がれば、飲酒の影響だったといえます。また、遺伝的に酵素たんぱくが欠けている「CETP欠損症」という可能性もあります。
気をつけることは。
過剰に心配する必要はありませんが、「善玉だから安心」と思わず、食事に気をつけ、引き続き人間ドックやがん検診などで、病気が隠れていないか調べて下さい。
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