【動画】堀江貴文さんから受験生へメッセージ=瀬戸口翼撮影
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(初出・2014年1月10日朝日新聞デジタル。内容は掲載時点のものです)

 中高生時代、つまんなかったっすね。田舎なので、選択肢がないというか。僕の能力みたいなものが発揮できる場ってのが、見つけられなかった。

 福岡県南部の町で、娯楽と言えばパチンコと、コンテナの中で歌うカラオケくらい。何もない以上に、人がおもしろくない。みんな保守的だし。親もそう。高校は進学校で、頭のいいやつは集まってたけど、発想が飛び抜けてないっていうか。何がおもしろくないのかはわかんないけど、おもしろくない、みたいな。

「ここから出る」が最強の動機

 いま思えば、「敷かれたレールを走っちゃう」ってことなんだとわかる。学年の4分の1くらいが東大、半分くらいが九大と九大医学部に進む。もちろん、友達と遊ぶのは楽しかったすよ。ビリヤードやったり、レーサータイプの自転車で山を走ったり。遊びは遊びでいいんだけど、「人生で働く」おもしろさってのは、僕と似た感じの人はいなかった。東大にいって大企業に就職とか、官僚になるとか、クソつまんないんですよね。

 中学時代、プログラミングに出会って、のめり込んだんです。塾のシステム開発を依頼されて、報酬までもらった。そのせいで、高校の成績は学年最下位に近いくらいまで落ちた。3年になり、ふと「ここから出るには、勉強やんないと」と思ったんです。僕にとっては最強の動機でした。

いとをかしとか、だいたいそんなもん

 そこから半年くらいは、受験勉強に没頭しましたよ。英語は、単語を徹底的に覚えた。外国人が話す片言の日本語、意味わかるじゃないですか。単語さえわかれば、助詞とかなくても意味は判断できる。古文や漢文なんかは出題範囲は狭い。五言絶句とか、いとをかし、とか。だいたいそんなもんでしょ。過去問たくさん解いておけば何となくわかるし、知らない問題だったら勘でいいや、と。

 学校や家でずーっと問題集解いてましたね。本番で焦らないよう8掛けくらいの時間設定で。センター試験は800満点の670点くらいで、何とか足切りされないくらいだった。点数が上がっていくので、途中からは楽しかったですよ。

僕がいま中学生なら「アプリ」

 僕は勉強にしても遊びにしても、はまるタイプ。友達から誘われれば、何でもやる。マージャン、トライアスロン、ミュージカルの役者……。マスターズ水泳大会にも出たし、今はヒップホップダンスを習ってます。刑務所の中でも、パイロットになろうと思って、航空工学や生物学を勉強した。大事なのは「ノリ」ですね。何でも軽く「やってみようか」ってノリ。

 今は、若い子たちが「ノリやすい」時代だと思いますよ。SNSで簡単に色んな人とコンタクトできるし、発信できる。

 もし僕が、いま中学生だったら、絶対にアプリを作っていると思う。人と人をつなげるネットワークアプリは、アイデア一発で、プログラミングの腕がそこそこあればできる。今ならワールドワイドにデビューできるし、稼げれば、自分でどこへでも行けて、おもしろい人にどんどん会える。

 生まれた場所なんて関係なくなってる。もう、大学なんか行く必要ないですよ。やりたい勉強は、ユーチューブの動画見ればいいし、気になる人がいたら、ネットを通して弟子入りだってできる。育った場所から出ていくツールとして受験を考えなくてもいい。ほんと、めっちゃうらやましいですよ。(聞き手・小林恵士)

    ◇

 ほりえ・たかふみ 福岡県生まれ。ライブドア社長時代、プロ野球球団や放送局の買収を仕掛けて注目された。2006年に証券取引法違反容疑で逮捕。懲役2年6カ月の判決を受けた。現在、液体燃料ロケット開発を行うSNS株式会社オーナー。13年11月に、自身の生い立ちを振り返った「ゼロ」(ダイヤモンド社)を刊行した。

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