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 【松尾慈子】田村由美といえば、私にとっては1990年代の代表作「BASARA」(小学館)だ。家族を殺された少女・更紗が圧政に抗して戦う、という内容である。文明崩壊後の架空戦記という設定ながら、敵は「仲間を守るための避けられない闘いだ」と主張し、更紗は常に「正義とは何か」「国とは何か」を自らに問うことになる。「民主主義とは何か」を問いかけた、骨太な少女漫画であった。

 そのハードボイルドな作風の一方で、田村はコメディーも得意としていて、今回の「イロメン」はまさしくそのコメディー要素を詰め込んだ会話劇だ。「色にこだわる男と女のサラリーマンコメディ」と帯で銘打ちながら、色っぽい話もなく、仕事の話もなく、舞台となる会社の業種さえ分からない。毎回8ページ前後のショートショートなのだが、あくまで登場人物たちの、色にまつわる小ネタが続く。これでもかというほどのしょーもないネタの連続で、ネタを出し惜しみしない田村センセーのサービス精神に敬服する。いや、本気で褒めてますよ、これ。表紙を見ると「BL(ボーイズラブ)?」と誤解されかねないところがちと残念だ。

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