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 国際自然保護連合(IUCN、本部スイス)は12日、絶滅の危機にある生物の情報を載せた「レッドリスト」の最新版を発表し、ニホンウナギを絶滅危惧種に指定した。環境省がまとめる日本版では昨年指定されており、今回で、国際的にも保護が必要な種と認定されたことになる。

 IUCNレッドリストは、生物の生息状況や個体数減少の原因などを科学的に検証したうえで、「絶滅」から「軽度懸念」「情報不足」まで8段階に分類している。そのうち「絶滅危惧」は3段階あり、ニホンウナギは中間の「絶滅危惧1B類」とされた。危機がより強い1A類ほどではないが、「近い将来、野生での絶滅の危険性が高い」という分類だ。

 ニホンウナギは、太平洋のマリアナ海溝近くで産卵し、稚魚が黒潮に沿って日本や中国、韓国、台湾付近へやってくる。稚魚や親ウナギの漁獲量は、黒潮の流れによって年ごとの変動はあるものの、長期的には激減している。半世紀あまり前は、稚魚の漁獲量は年200トン以上あったが、2012年は3トン、11年は5トン、10年は6トンだった。天然の親ウナギも1978年まで年2千~3千トン台の漁獲があったが、2012年は165トン。IUCNは、乱獲や生息地の環境悪化、海の回遊ルートの障害、汚染、海流変化などを指摘した。

 絶滅危惧種とされても、輸出入や食べることの禁止には直接結びつかない。ただ、危機にある種だと広く認められるため、野生生物の国際取引に関するワシントン条約で規制対象になる可能性が高まる。将来的に稚魚やかば焼きの輸入が制限される可能性もある。(神田明美)