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 出るわ、出るわ、だった。

 原発はトラブルの山――。国内最多の原発15基(廃炉作業中の新型転換炉「ふげん」含む)を抱える福井県・嶺南地域で取材した実感である。

 敦賀支局には2012年4月~14年3月の2年間勤務した。関西電力大飯原発3、4号機の再稼働など、全国から注目される大きなニュースもあったが、その陰で全国版に載らない様々な原発がらみのトラブル、不祥事の取材に追われた。

 例を挙げると――。(年月は発表時)

     ◇

◆高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)

 2012年7月:ナトリウム漏れ警報機が誤作動→配管が近くのエアコンで冷やされ、結露した水がナトリウム検出器のフィルターに付着して警報が鳴る。配管に断熱材を巻き付けて対処

 同11月:協力会社の作業員が使用済み核燃料プールに腕章を過って落とす→別の職員が網ですくって回収

2013年5月:非常用ディーゼル発電機から黒煙→弁の閉め忘れが原因

 同6月:原子炉の温度などを国の防災ネットワーク機器へデータ送信する装置が送信不能に→装置の電源切れが原因

 同9月:核燃料の貯蔵タンクでナトリウム漏れ監視装置が計測不能に→ふだん開いているはずの装置内の弁が閉まっていたのが原因

 2014年1月:中央制御室の当職職員のパソコン1台がウイルスに感染→原因調査中

◆新型転換炉「ふげん」(敦賀市)

 2013年2月:補助ボイラーを解体作業中、吸気フィルターから発煙→バーナーで配管を切断していた際に火花が燃え移る

 同3月:放射性物質のトリチウムが外部に漏れる→原子炉補助建屋で放射性物質を含む重水から不純物を取り除く際、職員が蒸気を水に戻す装置のスイッチを入れ忘れる

 同7月:海水ポンプが故障し、使用済み核燃料プールと非常用ディーゼル発電機を冷やせなくなる→ポンプのモーターの軸部分が高温となったのが原因。モーター交換で対処

◆敦賀原発(敦賀市)

 2012年5月:2号機の工事現場で協力会社の作業員が重傷→ダンプカーの荷台にかけたはしごから2メートル下に転落

 同7月:2号機近くに埋設された配管をくりぬく。配管は発電機のタービンを回した蒸気を冷やし、水に戻す復水器につながっていた→活断層の疑いが指摘される2号機直下の断層を掘削調査する際に過って穴を開けたのが原因

 同8月:協力会社の作業員が2号機で大けが→津波対策で通路に水密扉を取り付ける際、重さ510キロの扉の枠が倒れて下敷きに

 2013年9月:1号機の放射線管理区域内にある廃棄物処理施設で浸水→大雨で排水が追いつかず

 2014年3月:2号機の原子炉冷却水の水温計の一部が破損→金属疲労が原因

◆美浜原発(美浜町)

 2013年2月:1号機の非常用ディーゼル発電機から黒煙→出力を上げる部品が破損

◆大飯原発(おおい町)

 2012年8月:4号機の蒸気発生器に2次冷却水を送る主給水ポンプで異常→弁の部品が固定不十分で外れたのが原因

 2013年9月:3号機の低圧タービンで火災を示す警報機が作動。水蒸気が漏れる→職員が手順書を守らなかったのが原因

◆高浜原発(高浜町)

 2013年9月:1号機で作業員が線量計を着用せずに放射線管理区域に入る→休憩時に線量計を外し、机の上に置いたままに

     ◇

 こうした事例は一部に過ぎない。設備の故障もあるが、軽率な人為ミスが目立つ。トラブルが起きたとき、事業者の説明はこんな言葉から始まる。

 「影響はございません」

 「問題はございません」

 これは、環境に影響を与えるほどの放射性物質を外部に漏らしていない、職員、作業員は被曝(ひばく)していないことを意味している。この文言を聞くたび、憤りを感じた。

 2013年4月末、もんじゅで…

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