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 絶滅の恐れがあるとして、ニホンウナギが国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストに載ってから初の「土用の丑(うし)の日」を29日に迎える。日本の食文化にも欠かせない希少生物の保護や増殖に取り組む最前線の現場を訪ねた。

 青い光に包まれたひんやりした実験室の水槽で、ニホンウナギの幼生がゆらゆら。孵化(ふか)したばかりで体長は数センチだが、サメの卵などを食べて体長5~6センチ、親と同じ形の稚魚(シラスウナギ)に育つ。三重県にある水産総合研究センター増養殖研究所。4年前、人工授精から育ったウナギが卵を産み、孵化する「完全養殖」に世界で初めて成功した。

 ニホンウナギは日本から約2千キロ離れた太平洋で産卵し、川で5~10年ほど生きるが、海での暮らしはよくわかっていない。漁獲量が不安定な天然の稚魚を使わない完全養殖は夢の技術だ。昨年度は約400匹が稚魚まで育った。研究の第一人者、田中秀樹・ウナギ量産研究グループ長は「水槽さえ増やせば人工授精から育った稚魚の出荷は今でもできる」と言う。

 ただ、値段は天然の数十倍。親ウナギはホルモンを与えないと卵を産むまで成熟しない上、生まれて稚魚になるまで長くて700日と手間がかかる。稚魚に育つ生存率も1割以下だ。

 それでも4年間で餌やホルモンの開発が進み、研究の舞台も「実験室」から「工場」に移りつつある。今年2月、静岡県にある千リットルの大型水槽で稚魚の飼育に成功したと発表。生存率は実験室よりさらに低い1%ほどだが、今も300匹余りが育つ。今後、民間の技術協力で水槽を増やす。

 「研究すればするほど稚魚を大量に飼う難しさが分かってきた」と話す田中さん。天然の稚魚を守るためにも、将来、養殖に使う稚魚の一部を人工生産で補うことを目指している。

■なぜか、雄…

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