[PR]

 戦後70年近くロシアが占拠を続ける北方領土。23年目の「ビザなし交流」で、6月末に元島民らと現地を訪ねると、目の当たりにしたのは着々と進む「ロシア化」の姿だった。安倍晋三首相は在任中の問題解決に意欲を示すが、既成事実の壁は厚い。

 港から舗装したての道路が延び、青や黄色のカラフルな屋根が夏の日差しを反射する。択捉島中心部の紗那(しゃな)地区。図書館やプールを備えたスポーツセンターや、アパート群を造る工事車両が慌ただしく行き交う。

 元島民2世で東京都八王子市の川村美奈子さん(61)は、今回のビザなし交流で初めて択捉島を訪れた。父の故・川口広一さんは、1945年8月、勤務先の紗那郵便局から「島がソ連軍に占領された」と打電した郵便局員だった。

 亡くなる数年前、広一さんは「はってでも行く」と、ビザなし交流に参加。先祖代々の墓を見つけ、喜んで帰ってきたという。

 しかし今回、川村さんはその墓を見つけられなかった。旧紗那郵便局の建物も朽ち、ほとんど骨組みだけになっていた。

 「今住んでいるロシア人に、父と同じ目に遭ってほしくはない。でも何とか、領土問題は解決してほしい」。複雑な胸中を語った。

 始まって20年以上が過ぎたビザなし交流。元島民は高齢化が進み、今回の参加62人のうち元島民は2人。2、3世も川村さんを含め5人だけだ。参加者の大半は日本青年会議所や連合の関係者、有識者らで、北方領土訪問が初めての人も多い。

 一方、島の風景は開発で激変した。択捉島出身で20年ぶりに紗那を訪れた北海道根室市の鈴木咲子さん(75)は「20年前はまだ日本の香りが感じ取れた。今は全くないですね」。様変わりぶりに、驚きを隠さなかった。

 「私が首相の時代に何とかこの…

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

有料会員限定記事こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

980円で月300本まで有料記事を読めるお得なシンプルコースのお申し込みはこちら

こんなニュースも