米ジョージ・ワシントン大教授(国際政治学)

 慰安婦問題はもはや日韓問題ではなく、国際社会の関心事になっている。

 日本で河野談話を見直す動きなどが出るたびに、日本のおわびや反省の言葉が偽物だったと映り、米国での韓国系の活動を活発にさせている。

 日本政府の対応もお粗末だ。慰安婦像を撤去させようと職員を地元に派遣し、米韓で報じられ、事態を悪化させた。碑の文言や犠牲者数で反論があるかもしれないが、大きな視点で物事を見る必要がある。

 米国にも歴史問題がある。私は、父も祖父も太平洋戦争中に強制収容された日系人だが、日系人収容所問題での米国の対応を誇りに思う。80年代に連邦議会が謝罪をし、父は大統領署名の謝罪文と小切手を受け取った。直後の会合でミネタ元運輸長官ら日系人リーダーは「こんな日が訪れるとは想像もしていなかった。過去の失敗に向き合える米国を誇りに思う」と涙を見せていた。

 話はこれで終わらない。収容所は今、国立公園局下で修復されている。私も家族と収容所の跡地に見学に行き、改めて過去を学んだ。売店には強制収容の歴史を記した書籍などが並んでいた。記憶を風化させず、米国が二度と同じ過ちを繰り返さないための取り組みがここにある。

 多くの日本人が「もう十分だ。未来志向で行こう」と言うが、それを言うのは被害者の側であって、日本人はまず「私たちは忘れない。過ちを繰り返さない」と言い続けるべきだ。

 日本大使が、碑の前で河野談話を読み上げて、「戦後日本は、女性の権利、人権を推進する立場であり続けたし、これからもそうだ」と宣言するのも賢明なやり方だと思う。世界中のメディアを通して、前向きなメッセージを伝えられるだろう。

 過ちが繰り返されないよう、日本の若者には世界各地での女性の権利の擁護者になってほしい。