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 ベルギーで同性愛者の難民申請が急増している。首相も同性愛者であることを公言する国で、個人の自由や私生活が尊重されるイメージが影響しているようだ。アフリカやロシアでは同性愛者への弾圧やホモフォビア(同性愛嫌悪)の動きが広まっており、さらに増えることも予想される。

 ブリュッセル中心部の大通りを、派手な衣装をまとったドラッグクイーン(女装した男性)を乗せた大型のトラックが通り過ぎる。大音量の音楽が鳴り響き、沿道にあふれる観客が歓声をあげた。毎年恒例の同性愛者らのイベント「プライド」のパレード。今年は5月中旬に開かれ、来場者は約10万人に上った。

 観衆の中に、ゲイでアフリカ中部ブルンジ出身のジャンダニエル・ディクマナさん(27)がいた。恋人で同西部シエラレオネ出身のリヌス・バシーさん(27)もいっしょだ。ディクマナさんの衣装はブルンジ国旗をイメージし、この日のために手作りした。「アフリカにも同性愛者はいる。そのことを知ってほしかった」

 ディクマナさんは早くに両親を亡くし、叔母の家庭に引き取られた。幼い頃から同性に魅力を感じ、小学生の時に同級生の男子と抱き合ったところを担任に見つかった。「悪魔だ。同性愛は西欧のもので、アフリカにはない」と殴られた。

 ブルンジで同性愛は2009年から刑事罰の対象だ。懲役刑(最高2年)のほか罰金も科される。同性愛を公言すれば迫害される。同性愛者、両性愛者、性同一性障害者らLGBTと呼ばれる性的少数者の支援団体で10年から活動したが、自らも同性愛者だと公言する勇気はなかった。

 昨年5月、転機が訪れた。ブルンジで開かれた同性愛嫌悪に抗議する国際会議で、パネリストの政府関係者が「ブルンジに同性愛者はいない。名前さえ出せない証言なんて、欧米のでっち上げだ」と発言した。

 腹に据えかね、思わず手を挙げて、立ち上がった。「ブルンジにも同性愛者はいます。ここにいる私が証人です」

 この話は、保守的な叔母の耳にもすぐ入った。「お前は呪われている」とののしられた。警察から「公序良俗を乱し、刑法に違反する」との理由で、出頭命令を受けた。行けば間違いなく逮捕される。首都を離れて地方に身を隠した。

 国を離れる決意をし、3カ月後、支援者からベルギー入国のための書類を受け取った。ブルンジの旧宗主国で仏語が使える。民主主義で、個人の自由や人権が尊重される印象もあった。昨年8月にベルギーに入国、12月に正式に難民認定を受けた。現在は難民の収容施設で暮らしている。

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