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 「はい、これから『脳元気タイム』の時間ですよぉー」。埼玉県のJR川越駅から歩いて5分、高層ビルが集まる一角。あるビルに、10人弱のお年寄りが集まり、そろばんや書写に取り組んでいた。お世話するのは、元塾講師だ。

 埼玉県川越市のデイサービス施設「ココファン川越」。塾大手の「市進ホールディングス」が昨年7月、7階建ての自社ビル1階を改築して開いた。生徒が減って使い道がなくなったスペースと、人材を有効活用するためだ。

 ビルには、小中学生向けの学習塾「市進学院」や高校生向けの「市進予備校」などが入る。1990年代後半には、生徒が入りきらず、近くのビルに教室を間借りしたこともあった。だが、今や生徒はピーク時の3分の1以下の400人に減った。

 そこで考えたのが、一部のベテラン講師を介護などほかの事業に配置転換する策だ。下屋俊裕社長(61)は「講師は若ければ若いほど、生徒に慕われる傾向がある。雇用維持と企業存続のためには仕方ない」。

 ココファン川越にもかつて講師だった2人の男性が働く。施設長の羽根田光男さん(43)もその1人。新規事業として施設開設を自ら提案したが、実際にやってみると思いのほか大変だった。いつも座っているいすに案内しないと機嫌を悪くしたり、迎えに行くたびに「退会したい」とぐずったり。羽根田さんは「子どもは集団で引っ張ることができるが、高齢者は一人一人気遣いが求められる」。

母親に買い物券、遺伝子解析サービスまで

 経済産業省の調査によると、全国の塾に通う子どもは2012年現在、374万人。サービス産業室によると、「人口減とともに、減っている」との感触だという。全国私塾情報センターによると、予備校を除く塾市場は、子どもの数が減っても1人にかける費用が増える見込みのため、10年後も今の1兆3千億円規模を維持する見通しだという。あの手この手で生徒を呼び込もうと、これまで続けてきた事業形態にとどまらず、異分野に進出する教育関連企業も少なくない。

 通信教育大手「ベネッセホール…

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