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 米国のNGOの支援を受けた勇敢な女性サイクリングチームは、石を投げられたり、侮辱を受けたりすることをものともしない。その試みは、彼女たちが世界のレベルで競い、女性が有能で男性と同じ自由に値すると証明しようとするものだ。

 平日の午後8時、マッソウマ・アリザダさんは、アフガニスタン・カブール北部の環状交差点にペダルをこぎ出していく。同国の女子サイクリング代表チームの非公式練習場だ。

 今はイスラムの断食月「ラマダン」で、食事が許される日没後は市民は家で食卓についている。まもなく人々が食後の散歩に出てくる頃だが、今は通りもがらんとしている。

 マッソウマさんは17歳。昨年から代表チームに加わった。以来ほぼ毎日自転車に乗り、9月に韓国で開かれるアジア大会にむけトレーニングしてきた。アフガニスタンの女性が世界の舞台で競うのは初めてで、しかもこの大会が2020年の東京オリンピック参戦への最初のステップだとあって、チームは熱気に包まれている。

 今夜、集まった選手はマッソウマさんと姉妹のザハラさんら計4人。全員、長袖のウエアとロングタイツに身を包んでいる。アフガン社会が求める際限のない女性らしさに敬意を示すスタイルだ。頭を覆うスカーフをヘルメットの中に押し込み、寄付で集まった自転車にうずくまるようにまたがり夜のコースへ飛び出していく。

 2、3時間の練習の間、自転車に乗る女性というものを見てみようという人々が集まってくる。アイスクリームの売り子はカートに寄りかかって見つめ、口笛を鳴らしてはやし立てる子どもたちの1人は笑い転げている。

 タリバン政権の崩壊から13年が過ぎても、男女平等に関してはアフガン市民に大きな変化はない。自転車に女性が乗るのは間違った文化だと見なされているのだ。ただ、変革はしばしば、小さな変化の積み重ねや多くの人々の賛同が積み重なって起きる。アリザダさんとチームメートはそのことを肌で感じ、ペダルに載せた両足を一歩一歩踏み出すことで、変革の力になりたいと願っている。

 夜の冷たい空気を切り裂いて、チームは新興富裕層が暮らすアリアタウンを走る。携帯電話の看板や結婚式場の光が次々と、不鮮明に光っている。

 古びたバンでチームに並走するのは、コーチのアブドゥル・セディークさんだ。セディークさんの一番の仕事は、チームが毎日直面する攻撃を未然に防ぐこと。今日も例に漏れず、石が投げられ罵声が浴びせられた。時には、無謀運転の車に近寄られて転倒しそうになることもある。

 「投石は毎日のこと」。そう話すのは、セディークコーチのめいで、一緒にアフガニスタンサイクリング協会を運営するマリアム・セディークさん(26)だ。自身も数年前、練習中に暴力を受けた。オートバイにはねられて肩を負傷し、自転車に乗れなくなってしまったが、その痛みにもめげず若いチームメートたちを励ましている。

 練習後、セディークコーチの自…

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