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 福岡刑務所(福岡県宇美町)で腰痛を訴えた男性受刑者(当時)が、医師の判断で尿道にカテーテルを入れられ精神的苦痛を受けたとして、国に約350万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が19日、福岡高裁であった。高野裕裁判長は「自力排尿が可能な状態で尿道カテーテルの使用は不適切だった」として、男性の請求を棄却した一審・福岡地裁判決を変更し、国に35万円の支払いを命じた。

 男性は40代。2008年4月、服役中に腰痛を訴えた際、医師の判断で尿道にカテーテルを挿入された。男性側は「標準的な医療水準にかなうものではない」などと主張したが、一審は「安静を保つ必要などを考慮したもので、医師の裁量を超えるものではない」と男性の主張を退けた。

 一方、二審は「尿瓶の使用など他の方法があり、カテーテル挿入は不適切」と判断。男性が痛みを訴え、精神的苦痛を受けたとして慰謝料の支払いを命じた。

 この問題をめぐっては、05~09年に腰痛を理由とした尿道へのカテーテル挿入が福岡刑務所で71件あり、男性を含む受刑者6人の申し立てを受けて県弁護士会は10年9月、人権侵害行為があったとして福岡刑務所に警告していた。