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 名古屋市中区の名古屋コミュニケーションアート専門学校で7月、下痢などを引き起こす恐れがあるとして国が食用を禁止している有害な深海魚のバラムツを、学生約50人に試食させていたことがわかった。健康被害は確認されていないが、同校は「行き過ぎがあった」と認め、今月中旬、名古屋市に再発防止に努めることを伝えた。

 厚生労働省によると、バラムツには人が消化できない脂質が含まれ、食べると、意識しても止められないほどの下痢になる恐れがある。どれだけ食べると中毒になるかは分かっていない。東京都内の煮付けによる集団食中毒を受け、1970年以降、食品衛生法で販売や多数の人に与えることなどが禁じられている。

 食べさせたのは、エコ・コミュニケーション科で海洋環境などを教える30代の男性講師。同校と講師によると、7月2日、学生約60人に深海魚について教える際、煮沸した、親指の先ほどの大きさの切り身を60個用意した。事前に下痢になる恐れなどを説明し、任意で約50人が食べたという。

 講師は「バラムツに脂の量が多いことを知ってほしかった。見たり触ったりでは判断できない。与えたのはわずかな量で、経験などから症状は出ないと考えた」という。バラムツは講師の母校である三重大学の練習船が実習で捕獲し、「不要物として扱った」(船長)もの。講師は知人の乗組員を通じて、入手したという。

 名古屋市食品衛生課は「有害な魚で、本来は排除されるべきもの。勧めて食べさせたのは問題だ」と指摘。学校側は9月16日、事実確認に訪れた中保健所の職員に、再発防止を図る考えを伝えた。

 同校は8月下旬までに、バラムツを食べた学生の健康状態を確認し、中毒症状がないことを確認した。鶏徳尚雄校長は「講師らには日頃から安全教育をするよう言ってきた。体験教材として食べさせたのは行き過ぎで、今後は避けるよう指導監督していきたい」と話した。

 バラムツは、ルアーで釣りを楽しむ人たちがいるほか、遊び半分に食べて下痢になる様子をインターネット上に載せる人もいる。(嶋田圭一郎)