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 ひとりで悩まずに相談して――。性虐待に苦しむ子どもたちに呼びかけるアニメーションを、児童虐待防止対策に関わる若手研究者のグループが作った。動画はインターネットで広まり、公開から約4カ月で1万1千回以上再生されている。

 制作したのは、医学や公衆衛生を研究する27~31歳の5人でつくるグループ「子ども虐待対応たん」。主にツイッター(@childfirsttan)で児童虐待に関する情報を発信している。

 「性暴力を受けている子どもたちへ」と題した約3分の動画は、6月に動画投稿サイト「YouTube」で公開された。親しみやすいイラストで構成され、全体に明るい色づかいに仕上がった。

 性的な場面を見せられること、体を触られること、写真を撮られることなどに「ひとりで悩んでいないかな……?」とテロップで問いかける。「自分じゃないみたい」と思うなど不安になったら「SOS」のサインだとして、病院や児童相談所、学校などに相談するよう勧めている。

 また、世界中では女性の5人に1人、男性の10~20人に1人が同様の悩みを抱え、「加害者が身近な人の場合が多く打ち明けにくい」と説明。「誰かに話したら一緒に住めなくなる」と口止めするケースなども紹介し、「誰かに話した方がいいのかも」と感じてもらえるよう工夫している。

 ソーシャルメディアを通じて呼びかけたのは、被害を明かせずに苦しむ子どもに配慮し、匿名でアクセスできるネットの利点を生かしたからだという。

 子どもの心のケアを研究する日本学術振興会特別研究員、高岡昂太(こうた)さん(31)はメンバーの1人。昨年度から、児童相談所が虐待の相談を受けた時、リスクを判断するために使うチェックリストなどの開発を三重県と共同で進めている。

 高岡さんは「少しでも早く相談した方が被害は小さい。性虐待について、動画を通じ大人にも認知が広まれば」と話している。

 動画は、「性暴力を受けている子どもたちへ」で検索すると見つけられる。(畑宗太郎)