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 「うつぶせのまま噴煙をかぶって埋もれていく人が3人はいた」

 噴火当時、御嶽山の山頂付近にいて28日午前に岐阜県下呂市に下山した女性3人が報道陣の取材に応じ、噴火当時の様子を生々しく語った。

 千葉県松戸市の69歳と73歳と、栃木県日光市の65歳で、いずれも主婦。3人で登っていた。

 山頂の剣ケ峰。御嶽神社の社務所の裏で、昼食を食べようとザックを下ろした時だった。「すごい爆音が聞こえて、見たら噴煙が上がっていた」

 うち2人は、社務所のひさしの下に頭を入れて逃げ込み、「命拾いした」。岩が落ちてくる。「肩や頭をけがした人たちがいた。うつぶせのままちぢこまり、灰に埋もれていく人が数えただけで3人はいた」

 辺りは一時、噴煙で真っ暗になった。足元に灰が積もり、「これで熱くなったら、死んじゃうんだろうな」と思った。しばらくすると明るくなり、順に抜け出したが、体が埋まってリュックやストックだけしか見えず、動かない人もいたという。

 残る1人(69)はひさしの下に入れず、並んだ仏像の横に座った。ザックで頭を覆い、落ちてくる石を防いだ。「後で見ると、中に入っていた金属製の水筒がぺちゃんこになっていた。このザックが私の命を守ってくれた」

 ひざから下が火山灰に埋まった。その足元に、絶命したようにみえる人が2人いた。「その人たちの重みで私の足は上がらなかった。一緒の2人が私の足をかき出してくれて抜け出せた」

 男性が社務所のガラスを割り、「中に入れ、入れ」と言ってくれた。社務所の中には、背中を打って横たわっていた人がいたという。「最初は『痛い、痛い』と言っていたが、30分ぐらいしたら動かなくなってしまった」

 山小屋の人から、下山を勧められ、「けがしている人たちを見捨ててくるようで……」と後ろ髪をひかれながら「火山灰の中を雪山を滑り降りるように下山を続けた」という。27日は「五の池小屋」で一夜を明かした。まきストーブもあり、食事もけがの手当てもしていたという。「布団で寝られた。ほっとした」と振り返った。

 「幸運にも社務所の横にいて最初に逃げ込めたから助かった。目の前で亡くなった方がたくさんいた。早く家族の元に帰れることを祈っています」と話した。(豊平森、斉藤太郎)