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 宮津市日置の金剛心院に伝わる如来立像(にょらいりゅうぞう、重要文化財)の模刻制作に、東京芸術大大学院修士課程2年の宮木菜月さん(25)が挑戦している。本物そっくりの仏像をめざして6月から制作を始め、夏休み中は地域に住み込んで打ち込んできた。10月に大学へ戻った後も制作を続け、来年1月に完成の予定という。

 如来立像は一木彫りで高さ95センチ、平安時代前期の作とされる。丹後地方で最古の仏像とも言われ、1970年に重文に指定された。風を受けて衣の裾がなびく様の「風動表現」という手法が特徴という。

 宮木さんは文化財保存学を専攻。平安時代の仏像模刻に関心を持ち、全国の文化財から如来立像を選んだ。木曽福島産のカヤ材を使った一木彫りにこだわり、写真とレーザー計測をもとにしたコンピューター画像を見本にしている。

 8月半ばからは寺の隣の工房に約100本の彫刻刀をそろえ、朝から晩まで制作を続けてきた。「毎朝、寺で仏像を拝観し、当時のすぐれた技術と造形力に感心しながら彫っている」と宮木さん。見守ってきた泉彰弘住職(66)は「日本の伝統を若い人が継承してくれるのはうれしい。完成したらぜひ見に行きたい」と話している。(藤崎昌彦)